最適化
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最適化の注意
- 工作機械の素材と、「ワーク」のサイズを同じにしてください。
空転しているかどうかや、切削除去量などを感知して、 経路データにフィードバックをかける機能ですので、指定されたワークの形状が実際のワークと細部にわたって同一もしくは、若干のオフセット形状(より安全)である必要があります。
もし被切削材の形状が実際と異なっている場合は、切削部分であるのに早送りに変換されていたり、早送り部が無意味に切削送りに変換されていたりすることがありますので、ご注意ください。
- 直線補間、非直線補間を工作機械の設定に合わせてください。
- シャンク・ホルダ干渉部のチェックは前工程の加工残り(ストック形状)を考慮して計算しています。
「作業プロパティ」-「設定」が初期値の「分割数300」のままになっている場合や、工具よりも大きいピッチを指定すると意図としない結果となります。
大物モデルや極小さい寸法のモデルでピッチ指定の場合や急勾配、細かい部分の残り部を認識させたい場合はワークピッチを細かく設定して下さい。
ピッチを小さくしすぎる(または、分割数を大きくしすぎる)と、計算時間が長くなります。
大物モデルで設定値を小さく設定すると計算中にメモリ過多になりエラーとなる場合があります。
逆に、ピッチを大きくしすぎる(または、分割数を小さくしすぎる)と立壁部分などで誤差が生じる場合があります。
- 最適化は、「作業プロパティ」-「設定」のストックの「ストックを考慮した経路計算を行う」の設定にかかわらず、前工程の経路で作成されたストックモデルを考慮して経路計算します。
「径補正パスを作成する」且つ「オフセットコード(G41、G42)を出力する」の条件で作成した前工程の経路に対して、工具半径分の補正を行ってから、ストック更新を行います。
最適化経路を計算した後に、最適化工程の前に工程を追加すると、参照する前工程の経路が変わってしまうので、最適化経路を再計算する必要があります。
- 最適化は工程の出力経路に対して編集を行います。
補助工程(移動、トリムなど)が工程に含まれている場合は、補助工程の出力経路に対して編集を行います。
このときの出力経路は1本に束ねられている必要があります。
- 工程中に登録できる経路最適化機能は1つのみです。
ルートまたは工程グループに登録することはできません。
- Z軸が傾いている経路(回転、ミラー)は最適化できません。
- 「刃先空転部」の「逃げ動作に変換する」または「回避抑制」を行った場合、システムが自動的に早送り(G00)干渉チェックを行います。
早送り(G00)部分がZ軸方向の移動でワークと干渉する場合は、干渉する早送り部分を切削化して、自動的にエアカットをつけます。
早送り(G00)部分がXY軸方向の移動でワークと干渉する場合は、干渉しない位置まで上にあげます。
- 最適化を行った場合、システムが自動的にシャンク・ホルダ干渉チェックを行います。
このときのシャンク・ホルダ干渉チェックは、ホルダを補正して、干渉の危険性を防ぎます。
ホルダ補正量は、「共通設定」の「ホルダ補正量」を参照しています。
シャンク・ホルダ とワークが干渉する経路は、干渉部として除去されます。
除去した干渉部を取り出す場合は、「シャンク・ホルダ干渉部」の「干渉部除去/抽出を行う」を設定して、干渉部抽出工程を作成してください。
- 干渉部抽出工程で使用する工具は、前工程の切刃と同じにしてください。
- 工具パレットから複数工具指定リストへ工具をドラッグ&ドロップする場合は、先に工具パレットを表示してください。
- 底面が矩形以外の鋳物素材を使用した場合、矩形で素材が定義されます。
- ワーク形状により、ストック形状が一部欠けることがあります。
- 加工座標系、工具軸座標系で傾いた座標系を設定した場合、3.5軸素材の作成に時間がかかることがあります。
- 送り速度の最適化で、素材形状、経路により切削負荷が大きく変動する場合があります。
- 送り速度の最適化で、負荷範囲の区切り位置で切削負荷が細かく変動する場合、要素が細かく分割されます。負荷範囲の区切りはなるべく少なく設定してください。
- 干渉部抽出の計算の精度は、「作業プロパティ」-「設定」のストックのピッチまたは、指定の分割数によってワークを分割したピッチに基づき、Zマップに置き換えて計算しています。
その時、例えば以下のように実際にはホルダが干渉する条件では、Zマップ化したときに、干渉とみなされないケースが発生することがあります。
(ワークピッチや、ワークの基準点とのタイミングによっても変わって来ます。)
このケースを考慮するために、実際には、仮想的にピッチ分拡大したホルダで干渉チェックを行うよう調整することで安全性を高めています。
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微小にホルダ干渉するケース |
数値データ化すると干渉と見なされない |
ピッチ分拡大化することで干渉と認識させる |
- 穴あけ工程への最適化では、「最適化後レポート算出を行う」のモードには対応していません。
- 穴あけ工程への最適化では、穴径と工具径が一致していると早送り干渉として検出されてしまうなど、工具条件によっては意図しない結果となる場合があります。
- シャンク径が工具径より小さい場合は、必要首下長さは0になります。
- 径補正コード(G41、G42)のついた経路は最適化できません。