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加工フィーチャ機能のデータベースカスタマイズ

このページでは、加工フィーチャ機能のデータベースをカスタマイズする事例を使って、詳細な使用方法を説明しています。
データベースをカスタマイズする場合、データベースの仕組み、関係範囲について、十分な知識が必要となります。

このページに記載のない部分は、「データベース編集」のページも参考としてください。

カスタマイズ例

加工プランデーターベースを追加することで、材質や、加工シーンに応じてデータベースを切り替えることが可能です。
例えば、以下のようなケースで頻繁に切り替えたい場合、加工プランで切り替えると便利です。

例1)
ポケット・開口部の加工工程を、
荒取りから仕上げ工程の
各工程で作成する。
ポケット・開口部の加工工程を、
仕上げ工程のみで作成する
例2)
工具ファイルのデータ一式を
サンプルのもので使用する。
ユーザー様の常時使用している
工具ファイルデータで使用する。
       

例4~7は、その他のカスタマイズ例です。

例4)

2次元経路作成機能で、底面のキワを加工する工程を作成

例5)

ポケット、開口部で作成される工程のパラメータを微調整

例6)

パターンの種類に応じて、工程に色をつける

例7)

作成する工程内容よりも、加工パターン照合でエラーなしで作成することを優先し、工程を登録後に設定変更する。

 

加工プランデータベースのカスタマイズ例

ここでは加工プランデータベースの選択リスト追加について、手順を説明します。
形状パターン、工具ファイルフォルダ、CSV情報テーブルの各データベースのカスタマイズの詳細については後記の説明欄を参照ください。

カスタマイズするデーターベースの準備として、ここでは、サンプルの形状パターンデーターベースをコピーにて、説明します。

 エクスプローラにて、<Space-Eインストールディスク>:\HZS\CAM\config\Feature2Cam\standard_dbのフォルダを開きます。

 

 stbというフォルダがありますので、これをコピーします。

 

 コピー~stbという名称をマウスで2回クリックにて、フォルダ名称を変更します。 

 加工プランデータベース編集のパネルから「新規」または「コピー」を選択します
 コピーされた行をマウス選択します

 「編集」ボタンを押します

 加工プランデータベースパネルより、形状パターンの枠内をマウス選択します。
  「削除」ボタンを押して、登録を削除します。

  例2の場合、工具ファイルフォルダの枠内をマウス選択します。

  例3の場合、CSV情報テーブルの枠内をマウス選択します。

 「追加」ボタンを押します。
 フォルダ選択の画面から、予め用意したデータベースファイルのあるフォルダを選択します。
 データベース名称を任意の名称に変更します。
  OKボタンを押すと変更した内容が登録されます。
  既に存在する名称は指定できません。

 

 

 加工プランデータベース編集のパネルに戻り、追加したデータベースがアクティブになっていることを確認の上、「選択」ボタンを押します。

「使用するデータベース」に選択したデータベースの名称が表示されると、登録は終了です。

 


形状パターンデータベースのカスタマイズ例

例1の“ポケット・開口部の加工工程を、仕上げ工程のみで作成する”に従って、形状パターンファイル(stb)のカスタマイズを例に説明します。

 加工プランデータベース編集パネルより、「加工プランデータベースを編集」のボタンを押します。

 各種DB編集ダイアログが開きます。
   ポケット、開口部のサンプルデータベースでは、コメントを「ポケット」に統一していますので、リスト上部の「コメント」を押すことで、並べて表示されます。

 フィーチャ形状の列が「ポケット」、「開口部」のstb形状パターンファイルに対して、マウス選択、ダブルクリックにて④⑤⑥の操作を行います。

 形状パターンファイル編集ダイアログが開きます。
  ここで、下部のリスト、加工パターン適用条件の一覧に登録されている、ここの行に対して、マウス選択の上、「編集」ボタンを押して、⑤⑥の操作を行います。
 加工パターン適用条件設定ダイアログが開きます。
  更に、加工パターンのタブを押します。

 例1のカスタマイズ例として、工程作成に含めない荒取り工程を削除します。

  その他のカスタマイズ例として、
もし、⑥の操作で、底面仕上げのみを残して、それ以外を削除すると、底面仕上げのみの工程を作成するデータベースとなります。

  ※ サンプルのデータベースでは、「立壁」の名前のついたstbファイルでは、底面仕上げは登録しておらず、2次元経路作成機能で登録しています。
    この場合、「立壁」の名前のついたstbファイルを選択の上、右クリックで「削除」を指定にて、stbファイルを削除します。

    続いて、「勾配」と名前の付いたstbファイル全てに対して、加工パターン適用条件設定ダイアログを開き、「寸法条件」タブから、「テーパーの有無」をダブルクリックします。「修正」のパネルから「指定する」のチェックを外します。

    これにより、勾配の有無に応じて、参照するstbファイルを切り替える仕組みをOFFにします。

 

    stbのファイル名称は必要に応じて名称変更できます。
    stbのファイル一覧より、ファイルを選択し、マウス右クリックのコンテキストメニューより、名前の変更を指定の上、任意の名称に変更してください。

 


工具ファイル参照先のカスタマイズ例

例2の“ユーザー様の常時使用している工具ファイルデータで使用する”について以下の事例で説明します。

工具ファイル参照先をカスタマイズする方法には、大きく2通りあります。どちらの方法でカスタマイズするかは、状況に応じてカスタマイズ者の方で判断してください。
1) 工具ファイルを含めたフォルダの内容を置き換える
2) 形状パターンデータベースファイルから、工具ファイルを含めたフォルダの参照先を変更する

【手順例1】 工具ファイルを含めたフォルダの内容を置き換える

 予め、サンプルの工具ファイルを入れたフォルダ名で、サブフォルダを用意しておきます。

   これらのサブフォルダは、加工プランデータベースパネルの「工具ファイルフォルダ」に指定したフォルダに置いてください。

 

 各サブフォルダの名前に対応する工具タイプの工具ファイルを置きます。

  右図では、工具パレットで工具データベースのカタログから、コピー操作していく例を図示していますが、実際の工具データベースは、有効長が実際の工具形状となっているので、ホルダに収まる部分の長さについては、別途手直しが必要です。

  工具ファイルの設置は、エクスプローラを使用して行う方法もあります。

  全ての工具タイプを使用しない場合、例えば、JISテーパータップ工具などは使用しない場合、その工具ファイルを入れておく必要はありません。
  但し、実際に工具フォルダをアクセスするように形状パターンファイルに登録しており、その形状パターンファイルが意図に反して参照されると、工具ファイルがないものとしてエラーとなることがあります。

 

 

 加工プランデータベースのパネルより、工具ファイルフォルダに、用意した工具ファイル一式のあるフォルダを指定します。


【手順例2】 形状パターンデータベースファイルから、工具ファイルを含めたフォルダの参照先を変更する

特定の形状パターンデータベースファイルで、工具ファイルの参照先を変更する手順を説明します。
ここでは、リーマ穴加工用の形状パターンデータベースに対して、リーマ工具を変更する例にて説明します。

 予め、変更する工具ファイルを入れたフォルダを用意しておきます。

   フォルダは、加工プランデータベースパネルの「工具ファイルフォルダ」に指定したフォルダに置いてください。

 参照先を変更する形状パターンファイルを選択し、形状パターンファイル編集ダイアログを開きます。

   変更したい対象のパターンが複数ある場合は、それら全ての形状パターンファイルに対して、③以降の操作を行ってください。

 加工パターン適用条件設定ダイアログの加工パターン適用条件のリストそれぞれに対して、④以降の操作を行います。
  加工パターンのタブを押します。
 工具タイプの列で、「リーマ」となっている行を選択します。
 続いて、パネル中央にある「検索工具情報」の右側にある「選択」ボタンを押します。
 右図のパネルが開きますので、用意しておいた工具ファイルを含めているところのフォルダ名を選択します。
 OKボタンでパネルを閉じた後、「登録」のボタンを押してください。

 


CSV情報テーブルデータベース

(Ver.4.9ヘルプでは、穴あけ加工の送り速度、回転数をCSV情報テーブルで使用するアレンジ方法を記載していましたが、
送り速度、回転数をCSV情報テーブル参照で決めることはできません。)

 


加工プランデータベースを頻繁に切り替える場合

加工プランデータベースの参照対象を切り替える場合には、Widnwosスタートメニュー→Space-E Ver.#.#→CAM→Feature2CAM→F2CHDBEditからパネルを起動できます。

加工プランデータベースのパネルは単独起動できますので、頻繁に切り替える場合は、パネルを起動したままで使用ください。

 


その他のカスタマイズ例

 例4:2次元経路作成機能で、底面のキワを加工する工程を作成

 

形状パターンデータベースファイルの設定により、ポケット・開口部の部分を2次元経路で作成する場合に、経路作成範囲を、水平面高さ毎に階層化した領域とするか、底面のキワ部分とするかを切り替えることが可能です。

サンプルのデータベースでは、領域加工するモードで登録しています。

 

 

 

 

 

 

    ※ 「底面のキワ加工」を選択の場合、「Z最大加減」と「Z最小加減」は指定できません。
       「Z最大加減」と「Z最小加減」とは、作成する工程の[加工範囲]-[Z範囲]-[Z最大]と[Z最小]に設定される数値を、
       ポケットの深さ範囲から加減した値で設定するよう調整するものです。

       もし、両方に0.0を設定すると、作成する工程の[加工範囲]-[Z範囲]-[Z最大]と[Z最小]を、ポケットの深さ範囲で登録します。
      プラスの数値を指定すると、指定高さ分だけ高い位置を加工するよう登録します。
      マイナスの数値を指定すると、指定高さ分だけ低い位置を加工するよう登録します。
      この入力欄には、「工具径」などのキーワードは指定できません。数値のみ指定できます。


 例5:ポケット、開口部で作成される工程のパラメータを微調整する。

切込み量は、工具ファイルから参照する方法がありますが、円弧アプローチの大きさや、インコーナーRの大きさは、数式を設定にて調整することができます。

この数式設定機能は、切込み量にも対応しており、工具ファイルのXY,Z切込み量を使用せずに、こちらで数式設定することも可能です。

右図は、数式設定パネルで、切込み量の数式設定を変更しているイメージです。

使用できるキーワードは、加工パターン適用条件設定ダイアログの緑色の入力欄で設定できるものに加えて、サンプルのデータベースで回避高さに設定している「モデル高」は、こちらのパネル固有のキーワードです。

数式設定の仕組みは、config\Feature2CAM\F2Cfuncのフォルダ内で、拡張子xfnファイルの名称と対応する 拡張子extファイルがあります。

※機能パネルの各パラメータで数値入力する欄は、数値のみしか設定できません。

 

 


 例6:パターンの種類に応じて、工程に色を付ける。

例5を応用して、パターンの種類に応じて、工程に色を付ける方法を説明します。

  予め、サブフォルダごとに組み合わせの違う形状パターンファイルを設置しておきます。

  右図の例ではそれぞれ、
kado 、 pocket 、 taper 、 drill という4つのサブフォルダにstbファイルを分けて設置しています。

 加工プランデータベースパネルの、形状パターンの欄に、それぞれのサブフォルダを登録します。

各行をマウス指示して、「工程色」のON/OFFをONに切り替えてください。

工程に割り当てる色は、加工フィーチャパレットのツリーから右マウスクリック→オプションのパネルにて指定します。

形状パターンの登録フォルダの順番と、“工程色の登録”の各番号がそれぞれ対応しています。

工程色がOFFの場合は、工程作成で、色付けを行いません。
(右図の設定例では、1つ目のサブフォルダには、OFFを指定)

(工程作成例)

 例7:作成する工程内容よりも、加工パターン照合でエラーなしとし、工程を登録後に設定変更することを優先する。

以下2つのフォルダはVer.5.0にて廃止しています。

HZS\Cam\config\Feature2Cam\standard_db\stb_LongFlute
HZS\Cam\tool\forFeature\エラー処理用ドリル

Ver.4.9では、深穴に対しても一時的に工程作成したい場合、刃長の長い工具で検索させるカスタマイズ方法を説明していました。
Ver.5.0以降では、深穴分割、もしくはオプション→「深穴の場合、刃長チェックを除外して工具検索」をご利用ください。
(詳細はオプションダイアログの欄を参照ください。)   
Ver.4.9の方法で使用したい場合は、Ver.4.9の環境から以下の示すフォルダへ両フォルダのデータをコピーしてから以下の手順で設定してください。

 config\Feature2CAM\standard_dbの所に、stb_LongFluteというフォルダがあります。
これを加工プランデータベースパネルから形状パターンに選択にて追加します。

forLongFluteSTBは、工具ファイルの検索先として、tool\forFeature\エラー処理用ドリルを指定した形状パターンデータベースを含めています。

深穴のため刃長が足りなくなるため、加工パターン照合で、エラーとなるケースでは、こちらのデータベースを使用することにより、エラーとせず、仮として刃長が長い工具で工程を割り当てることが可能です。

 ①の操作だけでは、どの工程が長い刃長の工具で割り当てられたか分かりにくくなります。
以下の手順にて、工程色をつけることにより、工程ツリー上で視覚的に区別することができます。

forLongFluteSTBの行を選択の上、「工程色」のON/OFFをONに切り替えてください。

 工程に割り当てる色は、加工フィーチャパレットのツリーから右マウスクリック→オプションのパネルにて指定します。

形状パターンの登録フォルダの順番と、“工程色の登録”の各番号がそれぞれ対応しています。

工程色がOFFの場合は、工程作成で、色付けを行いません。
(右図の設定例では、1つ目のサブフォルダには、OFFを指定)

(工程作成例)