多面体


1.多面体について

多面体は、Space-E/Drawのモデル中の面アイテム(平面、円筒面、円錐面、曲面)に関しての隠線消去表示、およびシェーディング表示を目的としています。

2.多面体表示

隠線消去およびシェーディングに関する処理はすべて3〜6頂点の多角形で構成される多面体を対象としています。それぞれの面アイテムを、多面体に変換する処理が必要です。

また、変換された多面体のデータを外部ファイル(PHファイル)に出力して保存したり、外部ファイルから読み込んで既存のデータに追加することができます。

多面体の表示には、以下の3つの表示モードがあります。

(1)多面体の稜線をそのまま表示

(2)多面体から隠れる稜線を消去して表示

(3)多面体のそれぞれの面に濃淡をつけて表示

これらの表示は、作業中のモデルの表示に関係なく一時的に行われます。また、上記の(1)(2)の場合は、表示されている稜線を線分アイテムとして作成することもできます。ただし、この線分アイテムは奥行きのない平面的な座標値を持ちます。

3.多面体データの容量の制限

HDDFおよびHDFGで生成することのできる多面体データの容量、あるいはHDDSで隠線消去表示/シェーディング表示することのできる多面体の容量の制限は、以下のとおりになります。

- 頂点数 ポリゴン数
生成できる多面体の容量(HDDF,HDFG 65535 32767
隠線消去表示/シェーディングできる容量(HDDS 65535 8191
多面体の稜線表示(HDDS 65535 32767
マスプロパティ計算(HDVO 65535 32767

(注)HDDFおよびHDFGで作成した多面体データのポリゴン数が8191を越えていなくても、HDDSの内部でポリゴン数を正確に求めなおす処理で8191を越えてしまい、隠線消去表示/シェーディングができない場合があります。

4.マスプロパティの計算

面アイテム(平面、円筒面、円錐面、曲面)で構成される立体の体積、重量、表面積、重心、慣性モーメントを計算することが可能です。

多面体の表示と同じように、面アイテムをすべて近似する多角形に分割して、まず多面体のデータを作成します。曲面を多角形で近似させると、結果に誤差が生じますが、この誤差については、複雑な形状の立体を測定する前に、比較的単純な形状の立体で誤差を測定すると、複雑な形状の立体での計算値誤差の検討が容易になります。

(1)多面体作成時の注意事項

正しく計算するために、つぎの条件が必要です。
・立体を構成する面アイテム間に隙間が空いていないこと。
・面アイテム間に重なりや、干渉がないこと。
・多面体データ作成時において、面アイテムの裏表を正しく指定していること。

これらの条件が守られていないと、正しくマスプロパティを計算することができません。
また、マスプロパティ計算は、これらの条件が守られているかどうかチェックしていませんので、モデリング時、および多面体作成時に注意して下さい。

(2) 半空間モデリングの特例

マスプロパティを、正しく計算するためには、対象となる立体を構成する面アイテム間に隙間がないようにして下さい。また、面アイテム間に重なりや干渉がないようにして下さい。ただし、特例として以下のように、ある平面で立体を切り取った口が開いたような半空間モデルは扱うことができます。
下図は、立体状の「底」の面が作成されていない半空間モデルの例です。

この場合、マスプロパティ計算(HDVO)では、面が作成されていない「底」に無限平面を仮定して、この平面(ボトムプレーン)と半空間モデルで囲まれた部分のマスプロパティを計算します。
ただし、この空間モデルには、以下の条件が必要です。
HDVOで、ボトムプレーン上の3点を入力すること。
・半空間モデルの開いた境界がボトムプレーンに乗っていること。
・半空間モデルを構成する面アイテムは「(1)多面体作成時の注意事項」の3つの条件を満たしていること。