5. 作図出力処理プログラム(plot_xxxx)の機能

作図出力処理プログラムは、表1−1に示したように作図機の機能と、接続形態に応じて、3種類用意されています。これらのプログラムの主な機能は、ベクター変換処理プログラム「fdrtdv」の出力であるドロー・ベクターファイルを入力として、作図機固有の命令コードに変換して出力することで共通して次の機能を持っています。また、詳細機能は、各プログラムにより異なっています。

印刷モードに「プロッタ」を選択することで作図機からの出力になります。
作図機言語を「HP-GL」「HP-GL2」「DSCAN」から選択します。
ここで指定したファイルにパラメータを設定します。
参照ボタンをクリックするとダイアログが表示されるので、ここで既存のパラメータファイルを指定できます。
修正ボタンをクリックするとダイアログが表示されるので、ここでパラメータを修正することができます。
参照するパラメータファイルを変更した場合、パラメータ保存をクリックすると、変更したファイルを初期値にすることができます。
(インストール時HP-GL:インストールフォルダ:\hzs\draw\plot\hpglpara.txt)
(インストール時HP-GL2:インストールフォルダ:\hzs\draw\plot\hpgl2para.txt)
(インストール時DSCAN:インストールフォルダ:\hzs\draw\plot\dscanpara.txt)

 

5. 1 制御パラメータ

5. 1. 1 パラメータの種類

各々のプログラムには機能を制御する制御パラメータを与えることができます。このパラメータは、使用するプログラムの適用する作図機により異なります。制御パラメータの種類と対応機種一覧表を表5−1、表5−2に示します。

表5−1 制御パラメータの機能

No.
パラメータ名
制御パラメータの種類
初期値
1
PLOT ドロー・ベクターファイルの指定

------------
2
END パラメータの終了を示す ------------
3
OUTD 作図データの出力方法 ------------
4
COM ユーザコメントの指定

------------
5
COPY 作図出力枚数の指定 1枚
6
CUT 自動カット機能使用の指定 OFF
7
DELE DVファイルのハンドリングの指定 OFF
8
DIRE DVファイルのあるディレクトリの指定 カレント
9
FACT 出力画面のスケール設定 100
10
FEED 紙送り制御の指定 OFF
11
FORM 出力レコード形式の指定 HPまたはHP-GL2
12
INIT 作図機をイニシャライズする方法の指定 IN
13
KANJ 作図機漢字ROM使用の指定 OFF
14
LAYO 自動レイアウトの指定 OFF
15
MODE 作図機のモデル名称の指定 7580B
16
OFST オフセット量の指定 0
17
OUTP 作図機を接続するホスト名称 plotter
18
OUTS 作図機を接続するサービス名称 plotter
19
PENC ペン番号と色の対応を指定
20
PENW
(PENS)
ペン番号とペン幅の対応を指定 作図機に依存
21
PTEN 原点位置の指定 0
22
ROT 用紙の90°回転の指定 OFF
23
SIZE 作図領域の大きさの指定 A0
24
UNIT 出力データの単位系の指定 ミリ単位系
25
WIDE 作図領域の指定 OFF
26
X/YMAX 作図原点からの相対座標で、右上(X/YMAX)の指定 XMAX1250mm, YMAX1250mm

 

表5−2 制御パラメータ対応機種一覧表

No.
パラメータ名
HPGL
HPGL2
DSCAN
1
PLOT
2
END
3
OUTD
4
COM
5
COPY
×
6
CUT
×
×
7
DELE
8
DIRE
9
FACT
×
×
10
FEED
×
11
FORM
×
12
INIT
×
×
13
KANJ
14
LAYO
×
15
MODE
×
×
16
OFST
×
×
17
OUTP
18
OUTS
19
PENC
×
×
20
PENW
(PENS)
×
×
21
PTEN
×
×
22
ROT
×
×
23
SIZE
×
×
24
UNIT
×
25
WIDE
×
×
26
X/YMAX
×
×

 

5. 1. 2 パラメータの入力並び

制御パラメータは、次の入力並びに関する規則に従って入力されています。

パラメータの修正は通常ダイアログで設定するために必要ありませんが、テキストエディタなどでパラメータの内容を修正する場合は以下の内容に注意して修正してください。

例)

OUTD5
OUTPplotter
OUTSplotter
KANJON
LAYOON
PLOTSPACFILE1
END

5. 1. 3 パラメータの形式

パラメータはI.D.と呼ぶパラメータ識別記号部とデータ部とからなり、データ部の形式は、各パラメータごとにそのフィールド位置およびデ−タの型が定められています。以下のパラメータの説明において、データの型の表現は、FORTRAN言語における変数の型および長さの表現を用います。

 

5. 1. 4 パラメータの詳細

 

 

(1)PLOTパラメータ(必須)
PLOT

機 能

作図するドロー・ベクターファイルを指定します。

 

対応機種

 

入力形式

UID(A4)

ドロー・ベクターファイルのUID(ユーザ識別子)を指定します。

 

ファイル名称(A1〜A23)

ドロー・ベクターファイルの名称を1〜23文字で指定します。

 

入力例

PLOTSPACTEST

UIDがSPAC、ファイル名称がTESTのドロー・ベクターファイルの作図出力を指定します。

 

注意事項

ベクター変換処理プログラム「fdrtdv」の出力時、ドロー・ベクターファイルの実際の名称は「UID.ファイル名称.DV」の形式ですが、このパラメータでは、UIDと、ファイル名称のみを与えます。プログラム内で、元の名称に復元します。

 

(2)ENDパラメータ(必須)
PLOT

機 能

入力パラメータの終了を示します。このパラメータにはデータ部はありません。

 

対応機種

 

入力形式

 

入力例

PLOTSPACTEST1
END

入力パラメータの終了を示します。

 

注意事項

入力パラメータの最後に1回だけ入力してください。

 

(3)OUTDパラメータ(必須)
PLOT

機能

作図データの出力方法を指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

F(I1)

0: DISK (UID.ファイル名.MTで出力)
5: TCP/IP

 

入力例

OUTD5

TCP/IPで、作図機に作図データを出力します。

 

注意事項

OUTDパラメータの指定は、必ずOUTP,PLOTパラメータより前に行ってください。

 

(4)COMパラメータ(オプション)
PLOT

機 能

コメントを定義します。I.D.以降の文字がコメントとして端末コンソールに出力されます。

 

対応機種

 

入力形式

 

コメント(A1〜A76)

出力開始時、端末コンソールに出力するコメントを指定します。
コメントの内容は作図には影響しません。

入力例

COM PLOTTER START
PLOTSPACFILE1

SPAC.FILE1.DVファイルの作図出力前に、コンソールへ「PLOTTER S TART」を出力します。

 

注意事項

コメントは5文字目より入力します。

 

(5)COPYパラメータ(オプション)
PLOT

機 能

作図出力枚数の指定を行います。

 

対応機種

 

入力形式

C(I2)

コピーする枚数(1〜20)を指定します。
省略時は1になります。

入力例

COPY3
PLOTSPACFILE1

ドロー・ベクターファイルSPAC.FILE1.DVを作図機に3枚出力します。

 

6)CUTパラメータ(オプション)
PLOT

機 能

自動カット機能を使用するかどうかを指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

FLG(A3)

ON : 自動カット機能を使用する。
OFF: 自動カット機能を使用しない。


省略時は、OFFになります。

 

入力例

CUT ON

自動カット機能を使用します。

 

(7)DELEパラメータ(オプション
PLOT

機 能

作図終了後、ドロー・ベクターファイルを削除するか保存するかを指定します。

 

対応機種

 

入力形式

FLG(A3)

ON : ドロー・ベクターファイルを削除する。
OFF: ドロー・ベクターファイルを保存する。

省略時は、OFFになります。

 

入力例

DELEON
PLOTSPACA1
PLOTSPACA3

ドロー・ベクターファイル、SPAC.A1.DV,SPAC.A3.DVを作図後、ドロー・ベクターファイルを削除します。

 

注意事項

印刷ユーティリティパネルから印刷する場合は、作図後、ドロー・ベクターファイルを削除します。

 

(8)DIREパラメータ(オプション)
PLOT

機 能

作図するドロー・ベクターファイルの存在するフォルダを指定します。

 

対応機種

 

入力形式

フォルダ名称(A1〜A76)

フォルダ名称の入力がなければ、カレントフォルダを意味します。

 

入力例

DIREC:¥hzs¥××××¥run_field
PLOTSPACFILE1

ドロー・ベクターファイルSPAC.FILE1.DVを¥hzs¥××××¥run_fieldのディレクトリより取出します。

 

注意事項

PLOTパラメータより前に入力してください。

 

(9)FACTパラメータ(オプション)
PLOT

機 能

プロッタにおいて、出力画面のスケールを指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

S(15)

スケールを最大5桁の整数で指定します。   
値は割合で入れます。   
省略時は100になります。

入力例  

FACT200  
図面を2倍にして出力します。

 

(10)FEEDパラメータ(オプション
PLOT

機 能

作図後、紙送りをするかどうかを指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

FLG(A3)

ON : 紙送りをする。
OFF: 紙送りをしない。

省略時はOFFになります。

 

入力例

FEEDON

ドロー・ベクターファイル作図後に紙送りをします。

 

注意事項

このパラメータは、紙送り機能がついている作図機でのみ有効です。

 

(11)FORMパラメータ(オプション)
PLOT

機 能

注釈を定義します。注釈の内容は作図処理には影響しません。

 

対応機種

 

入力形式

FO(A5)

・HPGLの場合
  HP : HPフォーマット
  YP : YKKフォーマット
  MP : 武藤フォーマット
  RD : RORANDフォーマット
  GP : グラフテックフォーマット
  DSCAN : DSCANフォーマット
  XEROX : XEROXフォーマット
省略時は、HPフォーマットになります。

・HPGL2の場合

CAL: カルコンプC95Xフォーマット

省略時は、HP−GL/2フォーマットになります。 入力例 FORMMP 出力レコード形式を武藤フォーマットに指定します。

 

(12)INITパラメータ(オプション
PLOT

機 能

作図機をイニシャライズするときのイニシャライズ方法を指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

T(A2)

IN : 作図機側の原点もイニシャライズする。
DF : 作図機側の原点はイニシャライズしない。

省略時は、INになります。

 

入力例

INITDF

作図機をイニシャライズするとき、作図原点はイニシャライズしません。

 

(13)KANJパラメータ(オプション)
PLOT

機 能

作図機の漢字ROMを使用するかどうかを指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

FLG(A3)

ON : 作図機漢字ROM使用
OFF: HZSパターンファイル使用

省略時は、OFFになります。

 

入力例

FORMHP
KANJON

作図機の漢字ROMを使用します。

 

注意事項

漢字ROM使用の場合は、FORMパラメータで機種名を指定しておく必要があります。

 

(14)LAYOパラメ−タ(オプション)
PLOT

機 能

自動レイアウト機能を使用するかどうかを指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

FL(A3)

ON : 使用する。
OFF: 使用しない。

省略時は、OFFになります。

入力例

LAYOON
PLOTSPACTSA0
PLOTSPACTSA1

自動レイアウト機能を使って、ドロー・ベクターファイル SPAC.TSA0.DV,SPAC.TSA1.DVを出力します。

 

注意事項

 

(15) MODEパラメータ(オプション
PLOT

機 能

作図機のモデル名称を指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

MDL(A5)

作図機のモデル名称を入力します。
省略時は、7580Bになります。

入力例

MODE7580A
作図座標のフォーマットをモデル7580Aに合わせます。

 

注意事項

作図機のモデル名が7580B以外の時に指定します。以下に、指定モデルを示します。

HPGL
モデル名
MDL
7090A 7090
7220A 7220
7225A 7225
7240A, 7245A, B 7240
7440A, 7470A 7440
7475A 7475
7550A 7550
7570A 7570
7580A, B 7580

 

(16)OFSTパラメータ(オプション)
PLOT

機 能

作図データのオフセット量を指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

X(I4)

X方向のオフセット量(mm)

Y(I4)

Y方向のオフセット量(mm)

省略時は、0になります。

 

入力例

OFST −10 20 X方向へ−10mm、Y方向へ20mmオフセットして出力します。

 

(17)OUTPパラメータ(オプション)
PLOT

機 能

作図機が接続されているホスト名称を指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

・TCP/IP接続

ホスト名称(A1〜A76)

作図機が接続されているサーバーのホスト名称を1〜76文字で指定します。
省略時は、「plotter」 になります。

入力例

OUTPns3000

ホスト名称をns3000に設定します。

 

注意事項

使用できるホスト名称は、hostsファイルに登録されている名称です。詳細は「3.1 hostsファイル修正」を参照して下さい。

 

(18)OUTSパラメータ(オプション)
PLOT

機 能

作図機が接続されている装置のサービス名称を指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

サービス名称(A1〜A8)

作図機が、TCP/IPで接続されている装置のサービス名称を指定します。省略時は、「plotter」 になります。

入力例

OUTD5
OUTPns3000
OUTSnspost3
PLOTSPACFILE1

作図機のサービス名称を 「nsport3」 に指定します。

 

注意事項

使用できるホスト名称は、servicesファイルに登録されている名称です。詳細は「3.2 servicesファイル修正」を参照して下さい。

 

(19)PENCパラメータ(オプション)
PLOT

機能

物理ペン番号に対する色の指定を行います。

 

対応機種

 

入力形式

 

C(A7)

n: 物理ペン番号を指定します(0〜15)。
d: 色をコードで指定します(1〜406)。

省略時は、ペン1〜8にすべて1(黒)がセットされます。

入力例

PENCP3=2

物理ペン番号3番の色を2の色に指定します。

 

(20)PENW(PENS)パラメータ(オプション)
PLOT

機 能

物理ペン番号に対応する線幅を指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

W(A6)

n: 物理ペン番号を指定します。(0〜15)
d: 線幅をドット単位で指定します(1以上)。

1ドットは、0.0625mmです。省略時は、作図機に依存します。

 

入力例

PENWP3=50

物理ペン番号3番の線幅を50ドットに設定します。

 

(21)PTENパラメータ(オプション)
PLOT

機能

作図データの原点位置を指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

P(I1)

0: 作図領域の左下に作図データの原点を合わせる。
1: 作図領域の中心に作図データの中心を合わせる。
2: 作図領域の中心に作図データの原点を合わせる。

省略時は、0になります。

入力例

PTEN1

作図領域の中心に作図データの中心を合わせます。

 

(22)ROTパラメータ(オプション)
PLOT

機能

作図用紙の90°回転を指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

FLG(A3)

ON : 90°回転をする。
OFF: 90°回転をしない。

省略時は、OFFになります。

 

入力例

ROT ON

用紙を90°回転します。

 

(23)SIZEパラメータ(オプション)
PLOT

機 能

ストリップ機能、自動レイアウト機能を使用するとき、それぞれの作図領域をAサイズで指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

S(A2)

A0: A0サイズ
A1: A1サイズ
A2: A2サイズ
A3: A3サイズ
A4: A4サイズ
△△: サイズパラメータ解除  

省略時は、A0サイズになります。

 

入力例

LAYOON         レイアウト機能ON  
PLOTXGGGA3‥‥‥(1)A3サイズで作図  
PLOTXGGGA2‥‥‥(2)A2サイズで作図  
PLOTXGGGA3‥‥‥(3)A3サイズで作図  
SIZEA3         サイズ指定  
PLOTXGGGA4‥‥‥(4)A3サイズのファイルとして作図  
SIZE           サイズ指定解除  
PLOTXGGGA4‥‥‥(5)A4サイズで作図  
END

 

作図結果

注意事項  

 

(24)UNITパラメータ(オプション)
PLOT

機 能

作図出力する入力作図データの単位系を指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

UN(42)

MN: ミリ単位系
IN: インチ単位系

省略時は、ミリ単位系になります。

 

入力例

UNITIN
作図データをインチ単位系として作図機に出力します。

 

(25)WIDEパラメータ(オプション)
PLOT

機能

作図機の作図領域を指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

FLG(A3)

ON : 作図領域をハードクリップ領域にする。
OFF: 作図領域をスケーリング領域にする。

省略時は、OFFになります。

 

入力例

WIDEON

作図領域を、ハードクリップ領域にします。

 

(26)XMAX、YMAXパラメータ(オプション)
PLOT

機能

ストリップ機能、自動レイアウト機能を使用するとき、それぞれの作図領域(ストリップ機能のときは、単片の領域、自動レイアウト機能のときは、出力領域)を指定します。

 

対応機種

 

入力形式

 

PARM(F6.2)    

領域の右上座標(XMAX,YMAX)を、作図原点からの相対座標で指定します。   
省略時は、XMAX1250mm、YMAX1250mmになります。

入力例  

XMAX1000  
YMAX1000  

作図領域の座標をX軸1000mm、Y軸1000mmに設定します。

 

注意事項  

1.使用する作図機によって、次の点に注意してください。    

2.これらのパラメータより後に、SIZEパラメータを指定した場合、以後の作図領域はSIZEパラメータの範囲となります。

 

5. 2 出力メッセージ

 

No.
出力メッセージ
メッセージの意味
対処
1
*** CONTROL CARD-DATA *** ファイルコントローパラメータの入力要求。PLOT,ENDパラメータは必ず入力しなければなりません。 ファイルコントロールパラメータを入力します。
2
#### CONTROL CARD '○○○○' ILLEGAL #### ファイルコントロールパラメータのI.D.部に誤りがあります。 誤りを修正して再入力します。
3
** _._.DV FILE OPEN ERROR *** PLOTパラメータで指定したドロー・ベクターファイルがありません。処理を中止します。 PLOTパラメータをチェックし、再度実行します。
4
*** FILE READ ERROR *** ドロー・ベクターファイルの入力中にエラーが発生しました。処理を中止します。 ドロー・ベクターファイルを再作成します。