作図出力処理プログラムは、表1−1に示したように作図機の機能と、接続形態に応じて、3種類用意されています。これらのプログラムの主な機能は、ベクター変換処理プログラム「fdrtdv」の出力であるドロー・ベクターファイルを入力として、作図機固有の命令コードに変換して出力することで共通して次の機能を持っています。また、詳細機能は、各プログラムにより異なっています。
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印刷モードに「プロッタ」を選択することで作図機からの出力になります。
作図機言語を「HP-GL」「HP-GL2」「DSCAN」から選択します。
ここで指定したファイルにパラメータを設定します。
参照ボタンをクリックするとダイアログが表示されるので、ここで既存のパラメータファイルを指定できます。
修正ボタンをクリックするとダイアログが表示されるので、ここでパラメータを修正することができます。
参照するパラメータファイルを変更した場合、パラメータ保存をクリックすると、変更したファイルを初期値にすることができます。
(インストール時HP-GL:インストールフォルダ:\hzs\draw\plot\hpglpara.txt)
(インストール時HP-GL2:インストールフォルダ:\hzs\draw\plot\hpgl2para.txt)
(インストール時DSCAN:インストールフォルダ:\hzs\draw\plot\dscanpara.txt)
各々のプログラムには機能を制御する制御パラメータを与えることができます。このパラメータは、使用するプログラムの適用する作図機により異なります。制御パラメータの種類と対応機種一覧表を表5−1、表5−2に示します。
表5−1 制御パラメータの機能
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表5−2 制御パラメータ対応機種一覧表
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制御パラメータは、次の入力並びに関する規則に従って入力されています。
パラメータの修正は通常ダイアログで設定するために必要ありませんが、テキストエディタなどでパラメータの内容を修正する場合は以下の内容に注意して修正してください。
- パラメータは、必ず大文字で入力して下さい。
- PLOTパラメータ、ENDパラメータ、OUTDパラメータは必ず指定しなければなりません。
- ENDパラメータの指定は1回のみです。
- OUTDパラメータの指定は、必ずPLOTパラメータより前に行ってください。
- その他のパラメータは、何回でも指定可能です。
- ドロー・ベクターファイルの処理開始は、各パラメータの指定後、PLOTパラメータの指定により行います。
- 指定したパラメータの値は、同じパラメータを指定するまで有効となります。
- 同じパラメータを指定すると、値が更新されます。
- PLOTパラメータの前に指定したオプションパラメータが、そのPLOTパラメータで指定したドロー・ベクタファイルに対して有効となります。
例)
OUTD5
OUTPplotter
OUTSplotter
KANJON
LAYOON
PLOTSPACFILE1
END
パラメータはI.D.と呼ぶパラメータ識別記号部とデータ部とからなり、データ部の形式は、各パラメータごとにそのフィールド位置およびデ−タの型が定められています。以下のパラメータの説明において、データの型の表現は、FORTRAN言語における変数の型および長さの表現を用います。
<< 作図出力処理プログラムのパラメータ >> ・必修パラメータ
COM | ユーザコメントの指定 |
COPY | 作図出力枚数の指定 |
CUT | 自動カット機能使用するかどうかの指定 |
DELE | DVファイルのハンドリングの指定 |
DIRE | DVファイルのあるディレクトリの指定 |
FACT | 出力画面のスケール設定 |
FEED | 紙送り制御の指定 |
FORM | 出力レコード形式の指定 |
INIT | 作図機をイニシャライズする方法の指定 |
KANJ | 作図機漢字ROM使用の指定 |
LAYO | 自動レイアウトの指定 |
MODE | 作図機のモデル名称の指定 |
OFST | オフセット量の指定 |
OUTP | 作図機を接続するホスト名称 |
OUTS | 作図機を接続するサービス名称 |
PENC | ペン番号と色の対応を指定 |
PENW (PENS) |
ペン番号とペン幅の対応を指定 |
PTEN | 原点位置の指定 |
ROT | 用紙の90°回転の指定 |
SIZE | 作図領域の大きさの指定 |
UNIT | 出力データの単位系の指定 |
WIDE | 作図領域の指定 |
X/YMAX | 作図原点からの相対座標で、右上(X/YMAX)の指定 |
(1)PLOTパラメータ(必須) |
PLOT
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機 能
作図するドロー・ベクターファイルを指定します。
対応機種
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入力形式
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UID(A4)
ドロー・ベクターファイルのUID(ユーザ識別子)を指定します。
ファイル名称(A1〜A23)
ドロー・ベクターファイルの名称を1〜23文字で指定します。
入力例
PLOTSPACTEST
UIDがSPAC、ファイル名称がTESTのドロー・ベクターファイルの作図出力を指定します。
注意事項
ベクター変換処理プログラム「fdrtdv」の出力時、ドロー・ベクターファイルの実際の名称は「UID.ファイル名称.DV」の形式ですが、このパラメータでは、UIDと、ファイル名称のみを与えます。プログラム内で、元の名称に復元します。
(2)ENDパラメータ(必須) |
PLOT
|
機 能
入力パラメータの終了を示します。このパラメータにはデータ部はありません。
対応機種
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入力形式
入力例
PLOTSPACTEST1
END入力パラメータの終了を示します。
注意事項
入力パラメータの最後に1回だけ入力してください。
(3)OUTDパラメータ(必須) |
PLOT
|
機能
作図データの出力方法を指定します。
対応機種
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入力形式
F(I1)
0: DISK (UID.ファイル名.MTで出力)
5: TCP/IP
入力例
OUTD5
TCP/IPで、作図機に作図データを出力します。
注意事項
OUTDパラメータの指定は、必ずOUTP,PLOTパラメータより前に行ってください。
- OUTDを5にすると、OUTPの標準値は 「plotter」 になります。
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(4)COMパラメータ(オプション) |
PLOT
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機 能
コメントを定義します。I.D.以降の文字がコメントとして端末コンソールに出力されます。
対応機種
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入力形式
コメント(A1〜A76)
出力開始時、端末コンソールに出力するコメントを指定します。
コメントの内容は作図には影響しません。入力例
COM PLOTTER START
PLOTSPACFILE1SPAC.FILE1.DVファイルの作図出力前に、コンソールへ「PLOTTER S TART」を出力します。
注意事項
コメントは5文字目より入力します。
(5)COPYパラメータ(オプション) |
PLOT
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機 能
作図出力枚数の指定を行います。
対応機種
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入力形式C(I2)
コピーする枚数(1〜20)を指定します。
省略時は1になります。入力例
COPY3
PLOTSPACFILE1ドロー・ベクターファイルSPAC.FILE1.DVを作図機に3枚出力します。
6)CUTパラメータ(オプション) |
PLOT
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機 能
自動カット機能を使用するかどうかを指定します。
対応機種
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入力形式
FLG(A3)
ON : 自動カット機能を使用する。
OFF: 自動カット機能を使用しない。
省略時は、OFFになります。
入力例
CUT ON
自動カット機能を使用します。
(7)DELEパラメータ(オプション |
PLOT
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機 能
作図終了後、ドロー・ベクターファイルを削除するか保存するかを指定します。
対応機種
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入力形式FLG(A3)
ON : ドロー・ベクターファイルを削除する。
OFF: ドロー・ベクターファイルを保存する。省略時は、OFFになります。
入力例
DELEON
PLOTSPACA1
PLOTSPACA3ドロー・ベクターファイル、SPAC.A1.DV,SPAC.A3.DVを作図後、ドロー・ベクターファイルを削除します。
注意事項
印刷ユーティリティパネルから印刷する場合は、作図後、ドロー・ベクターファイルを削除します。
(8)DIREパラメータ(オプション) |
PLOT
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機 能
作図するドロー・ベクターファイルの存在するフォルダを指定します。
対応機種
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入力形式フォルダ名称(A1〜A76)
フォルダ名称の入力がなければ、カレントフォルダを意味します。
入力例
DIREC:¥hzs¥××××¥run_field
PLOTSPACFILE1ドロー・ベクターファイルSPAC.FILE1.DVを¥hzs¥××××¥run_fieldのディレクトリより取出します。
注意事項
PLOTパラメータより前に入力してください。
(9)FACTパラメータ(オプション) |
PLOT
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機 能
プロッタにおいて、出力画面のスケールを指定します。
対応機種
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入力形式
S(15)
スケールを最大5桁の整数で指定します。
値は割合で入れます。
省略時は100になります。入力例
FACT200
図面を2倍にして出力します。
(10)FEEDパラメータ(オプション |
PLOT
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機 能
作図後、紙送りをするかどうかを指定します。
対応機種
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入力形式
FLG(A3)
ON : 紙送りをする。
OFF: 紙送りをしない。省略時はOFFになります。
入力例
FEEDON
ドロー・ベクターファイル作図後に紙送りをします。
注意事項
このパラメータは、紙送り機能がついている作図機でのみ有効です。
(11)FORMパラメータ(オプション) |
PLOT
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機 能
注釈を定義します。注釈の内容は作図処理には影響しません。
対応機種
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入力形式FO(A5)
・HPGLの場合 HP : HPフォーマット YP : YKKフォーマット MP : 武藤フォーマット RD : RORANDフォーマット GP : グラフテックフォーマット DSCAN : DSCANフォーマット XEROX : XEROXフォーマット 省略時は、HPフォーマットになります。 ・HPGL2の場合
CAL: カルコンプC95Xフォーマット
省略時は、HP−GL/2フォーマットになります。 入力例 FORMMP 出力レコード形式を武藤フォーマットに指定します。
(12)INITパラメータ(オプション |
PLOT
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機 能
作図機をイニシャライズするときのイニシャライズ方法を指定します。
対応機種
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入力形式![]()
T(A2)
IN : 作図機側の原点もイニシャライズする。
DF : 作図機側の原点はイニシャライズしない。省略時は、INになります。
入力例
INITDF
作図機をイニシャライズするとき、作図原点はイニシャライズしません。
(13)KANJパラメータ(オプション) |
PLOT
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機 能
作図機の漢字ROMを使用するかどうかを指定します。
対応機種
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入力形式
FLG(A3)
ON : 作図機漢字ROM使用
OFF: HZSパターンファイル使用省略時は、OFFになります。
入力例
FORMHP
KANJON作図機の漢字ROMを使用します。
注意事項
漢字ROM使用の場合は、FORMパラメータで機種名を指定しておく必要があります。
(14)LAYOパラメ−タ(オプション) |
PLOT
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機 能
自動レイアウト機能を使用するかどうかを指定します。
対応機種
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入力形式![]()
FL(A3)
ON : 使用する。
OFF: 使用しない。省略時は、OFFになります。
入力例
LAYOON
PLOTSPACTSA0
PLOTSPACTSA1自動レイアウト機能を使って、ドロー・ベクターファイル SPAC.TSA0.DV,SPAC.TSA1.DVを出力します。
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注意事項
- この機能は、与えられた作図領域内に複数の図面(複数のドロー・ベクターファイル)を 効率的に配置し、連続描画する機能です。
- 描画する図画が、A0〜A4サイズにきちんと合っていない場合は、適切な図面サイズに自動的に調整します。より大きい図面から、小さい図面の順序で出力します。横長の図面(作図機のモデルにより異なる)は、自動的に90°回転して描画します。
(15) MODEパラメータ(オプション |
PLOT
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機 能
作図機のモデル名称を指定します。
対応機種
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入力形式![]()
MDL(A5)
作図機のモデル名称を入力します。
省略時は、7580Bになります。入力例
MODE7580A
作図座標のフォーマットをモデル7580Aに合わせます。
注意事項
作図機のモデル名が7580B以外の時に指定します。以下に、指定モデルを示します。
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(16)OFSTパラメータ(オプション) |
PLOT
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機 能
作図データのオフセット量を指定します。
対応機種
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入力形式![]()
X(I4)
X方向のオフセット量(mm)
Y(I4)
Y方向のオフセット量(mm)
省略時は、0になります。
入力例
OFST −10 20 X方向へ−10mm、Y方向へ20mmオフセットして出力します。
(17)OUTPパラメータ(オプション) |
PLOT
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機 能
作図機が接続されているホスト名称を指定します。
対応機種
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入力形式![]()
・TCP/IP接続
ホスト名称(A1〜A76)
作図機が接続されているサーバーのホスト名称を1〜76文字で指定します。
省略時は、「plotter」 になります。入力例
OUTPns3000
ホスト名称をns3000に設定します。
注意事項
使用できるホスト名称は、hostsファイルに登録されている名称です。詳細は「3.1 hostsファイル修正」を参照して下さい。
(18)OUTSパラメータ(オプション) |
PLOT
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機 能
作図機が接続されている装置のサービス名称を指定します。
対応機種
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入力形式![]()
サービス名称(A1〜A8)
作図機が、TCP/IPで接続されている装置のサービス名称を指定します。省略時は、「plotter」 になります。
入力例
OUTD5
OUTPns3000
OUTSnspost3
PLOTSPACFILE1作図機のサービス名称を 「nsport3」 に指定します。
注意事項
使用できるホスト名称は、servicesファイルに登録されている名称です。詳細は「3.2 servicesファイル修正」を参照して下さい。
(19)PENCパラメータ(オプション) |
PLOT
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機能
物理ペン番号に対する色の指定を行います。
対応機種
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入力形式![]()
C(A7)
n: 物理ペン番号を指定します(0〜15)。
d: 色をコードで指定します(1〜406)。省略時は、ペン1〜8にすべて1(黒)がセットされます。
入力例
PENCP3=2
物理ペン番号3番の色を2の色に指定します。
(20)PENW(PENS)パラメータ(オプション) |
PLOT
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機 能
物理ペン番号に対応する線幅を指定します。
対応機種
![]()
入力形式![]()
W(A6)
n: 物理ペン番号を指定します。(0〜15)
d: 線幅をドット単位で指定します(1以上)。1ドットは、0.0625mmです。省略時は、作図機に依存します。
入力例
PENWP3=50
物理ペン番号3番の線幅を50ドットに設定します。
(21)PTENパラメータ(オプション) |
PLOT
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機能
作図データの原点位置を指定します。
対応機種
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入力形式![]()
P(I1)
0: 作図領域の左下に作図データの原点を合わせる。
1: 作図領域の中心に作図データの中心を合わせる。
2: 作図領域の中心に作図データの原点を合わせる。省略時は、0になります。
入力例
PTEN1
作図領域の中心に作図データの中心を合わせます。
(22)ROTパラメータ(オプション) |
PLOT
|
機能
作図用紙の90°回転を指定します。
対応機種
![]()
入力形式![]()
FLG(A3)
ON : 90°回転をする。
OFF: 90°回転をしない。省略時は、OFFになります。
入力例
ROT ON
用紙を90°回転します。
(23)SIZEパラメータ(オプション) |
PLOT
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機 能
ストリップ機能、自動レイアウト機能を使用するとき、それぞれの作図領域をAサイズで指定します。
対応機種
![]()
入力形式![]()
S(A2)
A0: A0サイズ
A1: A1サイズ
A2: A2サイズ
A3: A3サイズ
A4: A4サイズ
△△: サイズパラメータ解除省略時は、A0サイズになります。
入力例
LAYOON レイアウト機能ON
PLOTXGGGA3‥‥‥(1)A3サイズで作図
PLOTXGGGA2‥‥‥(2)A2サイズで作図
PLOTXGGGA3‥‥‥(3)A3サイズで作図
SIZEA3 サイズ指定
PLOTXGGGA4‥‥‥(4)A3サイズのファイルとして作図
SIZE サイズ指定解除
PLOTXGGGA4‥‥‥(5)A4サイズで作図
END
作図結果
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注意事項
- ドロー・サブファイル作成時に指定したサイズで作図します。
- レイアウト機能ONの場合、サイズ指定されれば以降のファイルをすべて指定サイズとみなして処理します。サイズ指定がない場合、あるいはサイズ指定が解除された場合は、各々のファイルの指定サイズに従います。
- このパラメータより後に、XMIN,YMIN,XMAX,YMAXパラメータが現れると、以後の作図領域は、(XMIN,YMIN)〜(XMAX,YMAX)の範囲となります。
- サイズがA0〜A4以外の場合は、XMIN,YMIN,XMAX,YMAXパラメータで作図領域を指示します。
(24)UNITパラメータ(オプション) |
PLOT
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機 能
作図出力する入力作図データの単位系を指定します。
対応機種
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入力形式![]()
UN(42)
MN: ミリ単位系
IN: インチ単位系省略時は、ミリ単位系になります。
入力例
UNITIN
作図データをインチ単位系として作図機に出力します。
(25)WIDEパラメータ(オプション) |
PLOT
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機能
作図機の作図領域を指定します。
対応機種
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入力形式![]()
FLG(A3)
ON : 作図領域をハードクリップ領域にする。
OFF: 作図領域をスケーリング領域にする。省略時は、OFFになります。
入力例
WIDEON
作図領域を、ハードクリップ領域にします。
(26)XMAX、YMAXパラメータ(オプション) |
PLOT
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機能
ストリップ機能、自動レイアウト機能を使用するとき、それぞれの作図領域(ストリップ機能のときは、単片の領域、自動レイアウト機能のときは、出力領域)を指定します。
対応機種
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入力形式![]()
PARM(F6.2)
領域の右上座標(XMAX,YMAX)を、作図原点からの相対座標で指定します。
省略時は、XMAX1250mm、YMAX1250mmになります。入力例
XMAX1000
YMAX1000作図領域の座標をX軸1000mm、Y軸1000mmに設定します。
注意事項
1.使用する作図機によって、次の点に注意してください。
- PARMの値は0.0以上であること。
- (YMAX−YMIN)値は、使用する作図機の作図幅を越えてはならない。
- (XMAX−XMIN)値は、A0(A0作図機)、A1(A1作図機)のX方向(紙送り方向)の長さを越えてはならない。
2.これらのパラメータより後に、SIZEパラメータを指定した場合、以後の作図領域はSIZEパラメータの範囲となります。
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