補助機能/5Axis
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経路5軸変換(5軸経路・NCデータ作成機能) |
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Space-E/5Axisでは特有の補助機能である『経路5軸変換』機能は5軸経路およびNCデータを作成するための機能の1つです。『経路5軸変換』機能はSpace-E/CAMにて作成された3軸経路に対し工具の傾きなどの情報を付加し、指定された5軸工作機経路用のNCデータを作成することができます。
3軸経路に付加する5軸経路の各位置での角度を決定するための各パラメータを設定します。
画面上をマウスでクリックすると、各パラメータを説明します。
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5軸制御方法
『5軸制御方法』は、3軸経路を5軸経路に変換する際に付加する工具軸など傾きの情報を設定するための機能です。経路上の各位置での工具やテーブルの傾きが何を基準にして決定されるのかをここで設定します。
『経路5軸変換』で5軸制御方法のパラメータと設定できるものは以下の6つです。
(1)一定傾き
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『一定傾き』は工作機の主軸方向から、工具が常に一定角度の傾きを持った状態で切削を行います。傾きは基準となる軸の方向とその軸方向への回転角度によって決定されます。
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・傾斜角度
工具の傾きを決定するパラメータです。工具の向きは、主軸方向からここで設定された角度分、基準軸周りに回転した角度になります。
・基準軸
工具の傾きを決定する際に、傾斜角度分回転する回転方向の基準となる軸を決定します。
X軸 :絶対座標のX軸を基準軸に設定します。
Y軸 :絶対座標のY軸を基準軸に設定します。
Z軸 :絶対座標のZ軸を基準軸に設定します。
指定軸:2点を指定し、その2点を通る直線を基準軸に設定します。
(2)軸を中心とした傾き
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『軸を中心とした傾き』では指定された基準軸に対して常に一定角度傾いているような工具軸で切削を行います。
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・傾斜角度(degree)
工具の傾きを決定するパラメータです。各位置での工具の向きは、基準軸に対する主軸方向からの傾斜角度が常にこの値をとるように決定されます。
・基準軸
工具の傾きを決定する際に中心となる基準軸の設定を行います。
X軸 :絶対座標のX軸を基準軸に設定します。
Y軸 :絶対座標のY軸を基準軸に設定します。
Z軸 :絶対座標のZ軸を基準軸に設定します。
指定軸:2点を指定し、その2点を通る直線を基準軸に設定します。
・参照方向
設定された工具軸の傾きの基準軸に向かう方向を決定します。
基準軸の方向へ傾斜させる :「軸を中心とした傾き」選択時のみ参照されます。ONがデフォルトの動作となります。OFFにした場合、基準軸の位置が切削地点にあるとして工具を傾斜させます。
基準軸の方向へ傾斜させる(基準軸=Z):ON
(原点位置のZ軸に向かって傾く) 基準軸の方向へ傾斜させる(基準軸=Z):OFF
(切削位置にZ軸があるものとして傾く)
工具先端方向 :工具の先端方向を基準軸に向かわせます。
工具軸方向 :工具の先端方向を基準軸から離れる方向に向かわせます。
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(3)ガイドカーブ参照
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『ガイドカーブ参照』では経路上の各位置での傾き情報を設定したガイドカーブに基づいて決定します。この機能では、パラメータのひとつである「ガイドカーブ参照方法」によって、傾きの決定方法、使用するパラメータが違います。
・ガイドカーブ参照方法
工具軸を決定するためにどのような形でガイドカーブを参照するのかを設定します。この設定により、傾斜角度により設定される角度がどの角度を示すのかが変わってきます。
最短距離点参照:
経路上の工具位置から最も近いガイドカーブ上の点を算出し、その点を通るような工具軸を設定します。
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[最短距離点参照]
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等分割点参照:
経路上の工具位置で経路を分割した場合の割合と同じ割合で設定されたガイドカーブを分割するようなガイドカーブ上の点を通る工具軸を設定します。
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[等分割点参照]
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曲線からの角度:
経路上の工具位置から、主軸方向から見て2次元的に最も近いガイドカーブ上の点を算出し、その点を通るような工具軸を設定します。
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[曲線からの角度]
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主軸方向からの角度:
経路上の工具位置から、主軸方向から見て2次元的に最も近いガイドカーブ上の点を算出し、主軸方向から傾斜角度分、算出した点の方向に傾けた工具軸を設定します。
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[主軸方向からの角度]
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・傾斜角度
ガイドカーブ参照方法での設定の違いにより、設定する角度が違います。
『最短距離点参照』『曲線からの角度』の場合:
算出したガイドカーブ上の参照点に向けた方向から、主軸方向に向かって傾斜角度分回転した角度で工具軸を設定します。このとき工具軸の最大角度は主軸方向の角度になります。また、マイナス値を入力した場合は、主軸から離れる方向に傾斜角度分回転します。
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[最短距離点参照、曲線からの角度における傾斜角度]
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『等分割点参照』の場合:
等分割点参照の際には傾斜角度は参照されません。
『主軸方向からの角度』の場合:
主軸方向から算出したガイドカーブ上の参照点の方向へ、傾斜角度分回転した角度で工具軸を設定します。
・傾斜方向
設定された工具軸のガイドカーブに向かう方向を決定します。
工具先端方向 :工具の先端方向をガイドカーブに向かう方向に向けます。
工具軸方向 :工具の先端方向をガイドカーブから離れる方向に向けます。
・ガイドカーブ設定
CAD上から参照するガイドカーブを選択し設定します。複数のガイドカーブが選択された場合、最初に選択されたガイドカーブのみを参照します。開形状、閉形状ともに設定可能です。
(4)定点参照
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『定点参照』では経路上の工具位置から、指定された点を通るような方向に工具軸を設定します。
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・傾斜角度
参照点方向から、指定した基準軸(X、Y、Z、指定軸)方向に角度を付加します。
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[参照点から指定した方向への傾斜角度]
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・参照方向
設定された工具軸の傾きの基準軸に向かう方向を決定します。
工具先端方向:工具の先端方向を参照点に向けます。
工具軸方向:工具の先端方向を参照点から離れる方向に向けます。
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・参照点
経路上の各位置で工具軸が参照する参照点を設定します。
工具軸はここで設定した点を通るような軸方向に設定されます。
(5)切削方向に対する傾き
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『切削方向に対する傾き』では、切削を行う際の工具の進行に対して切削方向(順方向)と横方向(水平方向)に傾きを持った工具軸を設定することができます。
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[切削方向に対する傾き]
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・傾斜角度(切削方向)
経路上の各位置での切削方向に対して工具軸が傾く角度を設定します。工具軸は主軸方向から指定角度分切削方向に回転した角度となります。工具の軸が切削方向に向かう回転方向が正方向なります。
・傾斜角度(横方向)
経路上の各位置での切削方向を回転軸とした方向に工具軸が傾く角度を設定します。工具軸は進行方向に向かって反時計回りの回転を正として、主軸方向から指定角度分回転した角度を傾きとした方向になります。
(6) ベクトル線参照
『ベクトル線参照』では経路上の各位置での傾き情報を設定したベクトル線に基づいて決定します。
この機能では、パラメータのひとつである「ベクトル線参照方法」によって、傾きの決定方法、使用するパラメータが違います。
・ベクトル線参照方法
工具軸を決定するためにどのような形でベクトル線を参照するのかを設定します。
局所参照:
経路上の点から見て、ベクトル線検出距離内にある最も近い2つのベクトル線を算出し、そのベクトル線の向きを参照した工具軸の傾きを設定します。ベクトル線の向きを正確に参照します。
[局所参照]全体参照:
設定された全てのベクトル線を参照した工具軸を設定します。経路上の点から見て、距離が近いベクトル線ほど工具軸の傾きに参照されます。
[全体参照]
・ベクトル線検出距離
ベクトル線を検出する距離です。経路の断面から設定した値以内を検索し、参照するベクトル線が決定されます。(局所参照選択時のみ有効)
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[ベクトル線検出距離]
( 青色線:検出されるベクトル 赤色線:検出されないベクトル線 )・ベクトル線設定
Space-E/Modeler上から参照するベクトル線を選択し設定します。直線のみ選択することができ、最大で5000本登録できます。
スムージングを行う:
工具軸の傾きに大きなぶれが生じる場合、それを補正した経路を作成します。
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※注意:ボール工具のみを対象としています。フラット工具やブル工具では、食い込みが発生する場合があります。
※注意:スムージングを行うことによって補正された経路は、干渉チェックを行っても、干渉が発生している場合があります。
※注意:基経路が歪んでいる場合、スムージングが正しく行えない場合があります。
※注意
・ベクトル線は直線のみ設定できます。
・ベクトル線はモデルに近付く方向に設定しなければなりません。
・ベクトル線は1本以上設定する必要があります。
・ベクトル線参照距離は0より大きい値を設定しなければなりません。
・設定できるベクトル線の上限は5000本です。
『角度制限を参照する』は工具軸の傾き方向を制限するためのパラメータです。
モデル座標系に対する工具軸の傾きの許容範囲を設定します。各経路上の位置において、『5軸制御方法』で決定された工具軸がここで示された範囲を超える場合は、設定された最小値、最大値で工具軸を決定します。
角度制限を参照する:
『5軸制御方法』で決定される角度を角度制限で設定した工具軸角度の許容範囲で制限するかどうかを設定します。
XY平面上での角度制限(最小、最大):
XY平面上での、工具軸の角度の許容範囲を設定します。最小値、最大値の角度はX軸方向を0度とした角度(degree)で設定します。最小値、最大値に使用できる値は0〜360度です。
YZ平面上での角度制限(最小、最大):
YZ平面上での、工具軸の角度の許容範囲を設定します。最小値、最大値の角度はY軸方向を0度とした角度(degree)で設定します。最小値、最大値に使用できる値は0〜360度です。
XZ平面上での角度制限(最小、最大):
XZ平面上での、工具軸の角度の許容範囲を設定します。最小値、最大値の角度はX軸方向を0度とした角度(degree)で設定します。最小値、最大値に使用できる値は0〜360度です。
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[XY平面角度制限]
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ガイド曲線に対する円錐角(最小、最大):
ガイドカーブと工具軸がなす角度を対象に、工具軸が下図のオレンジ色のエリア(許容幅)に収まるように制御されます。
ガイド曲線の方向を0度とした角度(degree)で設定します。最小値、最大値に使用できる値は0〜180度です。
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[ガイド曲線に対する円錐角]
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円錐軸の設定... :ガイド曲線とする円錐軸を設定します。
X軸 : X軸方向を円錐軸に指定します。
Y軸 : Y軸方向を円錐軸に指定します。
Z軸 : Z軸方向を円錐軸に指定します。
指定軸 : 円錐軸をベクトルで指定します。直接入力するか、「2点指示....」で値を設定します。
ガイド曲線 : 5軸ガイドカーブ加工で、経路タイプがノーマルのときだけ設定できます。設定されたガイドカーブを円錐軸として参照します。 [円錐軸設定]
『軸状態表示』は軸制御の各機能パラメータにおいて、現状で設定されている値での工具軸の角度などを確認できる機能です。
『軸状態表示』ボタンを押した後「Space-E/Modeler」上で工具の傾きを参照したい位置を指示することで、機械シミュレーションが表示され、指示された位置での工具軸が確認できます。(設定されている5軸工作機にて表示されます)
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リストにはその位置の座標と角度が表示され、干渉が発生する場合には、干渉の起こっている工具、モデルなどが赤く表示されます。
『軸状態表示』は、『5軸制御方法』に「切削方向に対する傾き」が指定されている場合には使用できません。
『干渉チェック』では5軸経路(アプローチ・リトラクトを含む)に対し、工具ホルダ、シャンクと製品形状との間で干渉が発生しているかどうかをチェックします。設定によっては干渉を回避するように干渉部経路の編集を行います。
画面上をマウスでクリックすると、各パラメータを説明します。
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条件1〜条件4
条件1〜条件4の枠に指定する条件を選択、表示します。
条件1〜4の枠に任意のパラメータを設定し、組み合わせ条件による干渉チェックが行えます。
任意のパラメータを指定すると、「条件〜(する)」にメッセージが変わり、青色で表示します。
※注意1:「傾きによる回避」はいずれかの枠で1回のみ指定可能です。「傾きによる回避」を指定すると、それ以降の条件の枠で「傾きによる回避」は指定できません。
例) 条件2に「回避」を指定 → 条件3、4には「回避」は指定できない。
※注意2:5軸スワーフ加工で「条件3」は指定できません。
5軸インペラー加工で「条件3」と「条件4」は指定できません。
干渉チェックを行う
経路5軸変換の計算にて「条件1〜4」で選択の枠に対して干渉チェックを行う各パラメータを有効にします。 干渉チェックは設定されたモデル形状と工具形状に対して行なわれます。
・干渉チェック方法
干渉が発生した際の処理方法を選択します。
経路出力しない:
5軸経路にて干渉が発生した場合、経路を出力しません。経路5軸変換の経路計算は異常終了したものとして処理されます。
干渉部除去:
5軸経路にて干渉が発生する部分の経路を削除し、G00回避にて接続します。回避高さ等は回避での設定に順じます。
軸方向へのリトラクト:
5軸経路にて干渉が発生する部分の経路を、その位置での工具軸方向にリトラクトすることで干渉を回避します。リトラクト部分は通常のG01経路で送り速度も通常切削速度で設定されます。
傾きによる回避:
5軸経路にて干渉が発生する場合に、工具軸を指定範囲内で傾けることによって、干渉を回避します。干渉回避のために行う傾きの方向は、選択されている『5軸制御方法』によって異なります。
『一定傾き』の場合:
基準軸に指定されている軸の回転方向に工具軸を傾けます。
『軸を中心とした傾き』の場合:
指定された基準軸の軸方向に工具軸を傾けます。
『ガイドカーブ参照』『定点参照』『切削面に対して垂直』の場合:
傾きによる回避を行えません。
『切削方向に対する傾き』の場合:
経路の切削方向による傾きと横方向による回避のどちらかを選ぶことができます。この選択は『傾き方向』のパラメータにて行います。
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[干渉チェック]
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面直方向へのリトラクト:
5軸経路にて干渉が発生する部分の経路を、その位置での面の垂直方向にリトラクトすることで干渉を回避します。リトラクト部分は通常のG01経路で送り速度も通常切削速度で設定されます。
※「面直方向へのリトラクト」は5軸ガイドカーブ加工、5軸スワーフ加工でのみ使用できます。・安全距離
干渉チェックを行う際に、工具ホルダに対して考慮する安全距離を設定します。切削中の工具ホルダと製品形状との距離がこの値より小さくなった場合に干渉が発生したと見なされます。
・シャンク部の安全距離を設定する
シャンクの安全距離を前述の『安全距離』とは別に設定します。このパラメータがOFFの場合、シャンク部分の安全距離は『安全距離』で設定した値と同じになります。(ホルダに対する安全距離と同じになる)
・シャンク部安全距離
シャンクの安全距離を設定します。
・刃先部分の干渉チェックを行う
このパラメータを有効にすると、工具の刃先部分を考慮した干渉チェックを行うようになります。
・トレランス
干渉チェックにて参照する製品形状、および、チェック面のトレランスを設定します。
・チェック面設定
干渉チェックの対象となるチェック面を製品形状とは別に設定します。
・チェック面残り代
干渉チェックを行う際のチェック面に対する残り代を設定します。
・干渉部除去方法
干渉が発生した際に干渉部の前後の断面に対しても除去するかどうかを選択できます。
干渉部のみ :干渉した断面のみを削除します。
干渉前の経路を含む:断面の開始から干渉するまでの経路と干渉部を削除します。
干渉後の経路を含む :干渉部から断面の終了までと干渉部を削除します。
干渉間の経路を含む :1断面中で複数の干渉部がある場合にその間の断面と干渉部を削除します。
『傾きによる回避』を行う際に、工具軸を傾ける方向を選択します。このパラメータは『5軸制御方法』が『切削方向に対する傾き』が選択されている場合にのみ選択できます。
切削方向 :切削方向に対して工具軸を傾けます。
切削方向に対し横方向:切削方向に対し横方向に工具軸を傾けます。
混合 :切削方向とその横方向の両方に工具軸を傾けます。
(注意)[混合]が選択された場合、『5軸制御方法』で選択された角度方向は無視され、工具軸は回避のための傾きのみになります。
・回避角度範囲
『傾きによる回避』を行う際に、回避前の角度から工具軸を傾けることのできる角度範囲を設定します。設定には工具軸を回転させる方向(正方向、負方向、両方)と許容する最大角度の設定を行います。
・安全角度
『傾きによる回避』を行う際に、干渉を回避した方向の角度に余分に傾けることで安全に回避させるための角度を設定します。
・回避後の工具姿勢を保つ
工具軸を傾けることで『傾きによる回避』を行った後、工具軸を傾けなくても回避が行なえる場合でも、回避後の工具姿勢を保ったまま切削を行います。
その工具姿勢で新たに干渉が生じる場合には工具姿勢を変えて再度『傾きによる回避』を行います。
傾きによる回避の[傾き方向:混合]選択時に「高度な設定」が有効になります。
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・傾きの最大・最小値を設定する
傾きによる回避によって傾く工具軸の範囲を主軸方向からの傾きの範囲で設定できます。
・固定軸
傾きによる回避によって軸を傾ける場合に、固定する軸(傾けない方向の軸)を設定することができます。
未設定 :固定する軸を設定しません。
傾き方向:主軸方向に対して傾ける方向の工具軸を固定します。
回転方向 :主軸方向に対し回転する方向の工具軸を固定します。
・スムージング
傾きによる回避によって軸を傾ける場合に、干渉位置で急な回避をするのではなく事前に傾きながら干渉位置に移動するようにできます。設定値は0〜1で、1に近いほどより遠い位置から傾け始めます。
・干渉部の角度最大変更ピッチを指定する
傾きによる回避によって軸を傾ける場合に、干渉回避が発生した部分の経路の角度変更最大ピッチを個別に指定できます。
・干渉する場合にレポートを出力する
傾きによる回避を行う際に、指定された条件では干渉の回避を行えなかった場合に、レポートを出力するかどうかを設定します。干渉の回避できなかった場合計算終了時に、ツリーに表示されるアイコンの表示が変わります。また、1番最初に干渉を発生させている位置をパネル上に表示します。
[レポートがある場合のツリー上のアイコン]
経路5軸変換のアプローチ部分の設定を行います。変換時に基経路のアプローチ部分に対して付加し直される、経路の条件を設定します。
画面上をマウスでクリックすると、各パラメータを説明します。
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「アプローチ削除」、「工具軸参照アプローチ」、「アプローチを編集しない」の3種類から選択して設定を行うことができます。「工具軸参照アプローチ」を選択した場合は、フォーム上で入力した各条件を基にした経路を付加します。それ以外の「アプローチ削除」、「アプローチを編集しない」を選択した場合は、各パラメータの設定は行えません。
アプローチ削除:
本機能の追加以前の標準動作です。アプローチ経路が削除され、切削開始点へ直接向かう経路を作成します。
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【基経路】
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【変換後】
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工具軸参照アプローチ:
アプローチする位置での工具軸を基準として、工具軸とアプローチ経路が平行になる方向からアプローチを付加します。(後述の接線アプローチは除きます)
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【アプローチ方向のイメージ】
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【実際の経路(円弧アプローチ)】
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付加されるアプローチの種類については後述のアプローチタイプの項を参照してください。
アプローチを編集しない:
基経路のアプローチを編集せずにそのまま残した状態で、5軸経路に変換します。
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【基経路】
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【変換後】
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・ アプローチ部の角度変更を行う
アプローチ中の角度変更を有効にします。
・ アプローチタイプ
以下の3つよりアプローチタイプを選択します。
直線:アプローチ位置に直線経路で切り込むアプローチを付加します。
円弧:アプローチ位置に円弧経路で切り込むアプローチを付加します。
接線:アプローチ位置の経路の接線方向から切り込むアプローチを付加します。
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【直線】
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【円弧】
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【接線】
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・ 長さ
直線、及び接線アプローチを付加する際の長さを設定します。
・ 半径
円弧アプローチを付加する際の円弧半径を設定します。
・ 角度
円弧アプローチを付加する際の円弧の中心角度を設定します。
・ 楕円指定を行う
円弧アプローチを付加する際に、円弧を楕円形としたアプローチを設定します。
・ 長さ
楕円指定を行う際の長さ(経路方向に対して垂直方向の距離)を設定します。
・ 幅
楕円指定を行う際の幅(経路方向に対して接線方向の距離)を設定します。
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経路変換後の5軸経路における回避部分の設定を行います。
経路5軸変換にて変換された経路の回避(G00)部分およびエアカット部分の経路はすべてここで行った設定にしたがって編集されます。
画面上をマウスでクリックすると、各パラメータを説明します。
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編集を行う回避部分における回避のタイプを設定します。ここで設定できるパラメータは以下の通りです。
(1)指定方向への回避
回避を行う方向をXYZの座標方向で設定します。
・回避高さ(Abs)回避を行う際に移動する高さ(距離)を指定します。この値はAbs値でのみ設定できます。
・回避方向
回避を行う方向を設定できます。選択できる方向は以下の通りです。
X方向:絶対座標のX軸方向に回避高さまで回避します。
Y方向:絶対座標のY軸方向に回避高さまで回避します。
Z方向:絶対座標のZ軸方向に回避高さまで回避します。
指定方向:IJKで指定されたベクトル方向に回避高さまで回避します。
・指定方向(I,J,K)
回避方向にて「指定方向」が選択された際の回避方向をIJKベクトルで設定します。
(2)軸を中心とした回避
指定された軸を中心とした一定距離の位置まで移動する形での回避を設定できます。
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( 太線部分が回避動作 )
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(基準軸は紙面の表から裏に向かう方向)
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[軸を中心とした回避]
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・回避位置半径
指定された軸から回避を行う位置までの距離を設定します。この値はAbs値でのみ設定できます。
・回避方向
回避方向の基準となる軸を指定します。選択できる方向は以下の通りです。
X方向:X軸に平行な軸を中心として回避を行います。
Y方向:Y軸に平行な軸を中心として回避を行います。
Z方向:Z軸に平行な軸を中心として回避を行います。
指定方向:IJKで指定されたベクトル方向で指定された軸を中心として回避を行います。
・指定方向(I,J,K)
回避方向にて「指定方向」が選択された際の基準軸の方向をIJKベクトルで設定します。
・参照点
基準軸の位置を設定します。回避の基準となる軸は『回避方向』で指定された軸方向でこの点を通るような位置に設定されます。
(3)指定点を中心とした回避
指定された点を中心として、一定距離の位置まで移動する形での回避を設定できます。
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(太線部分が回避動作)
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・回避位置半径
指定された点から回避を行う位置までの距離を設定します。この値はAbs値でのみ設定できます。
・参照点
回避の基準となる点を設定します。
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回避距離
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・軸方向エアカット
5軸経路におけるアプローチ時エアカットの長さを設定します。この値はIncでのみ設定できます。
・軸方向退避距離
アプローチ時、リトラクト時に軸方向に行う退避動作の距離を指定します。また、リトラクト時の退避距離は、この値に軸方向エアカットを加えた距離になります。・上方向のエアカットを付ける
リトラクト時に上方向のエアカットを付けます。
各オプション機能のパラメータを設定します。
画面上をマウスでクリックすると、各パラメータを説明します。
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作成する5軸経路の切削速度を、基経路の速度から変更します。
・速度編集を行う
この値をONにすると、作成される5軸経路の通常切削速度、エアカット速度がこの項目内で設定された値に変更されます。OFFの場合は、基経路の通常切削速度、エアカット速度を参照します。
・通常切削速度
出力される5軸経路の通常切削速度を設定します。
・エアカット速度
出力される5軸経路のエアカット速度を設定します。
経路の精度に関係する『角度変更最大ピッチ』の設定を行います。
・角度変更最大ピッチ
5軸経路内での経路の1要素の角度変更が行われる最大ピッチを設定します。工具軸の変更が行われる経路で、ここで設定された値より大きい角度変更がある場合、このピッチで分割した形で工具軸を計算、出力します。小さくすると角度の動作はスムーズになりますが、経路のアイテム数が多くなりNCデータ量も多くなります。
3軸経路を取り込み、5軸経路を作成するときの許容誤差を入力します。取り込みを行う経路に円弧情報などがある場合に直線近似を行う際に、円弧誤差がこれ以下になるように計算します。この値を大きくすると、基の円弧形状との誤差が大きくなり、円弧部分の加工表面が粗くなります。
小さくすると誤差は小さくなりますが、経路のアイテム数が多くなりNCデータ量も多くなります。ピック部の接続方法を選択します。
この機能は切削経路が最大距離内で離れている場合その断面間を指定された方法で接続します。対象となった3軸経路の編集は行いません。・接続方法
ピック部の接続方法は以下の4つから選択します。
回避 :回避による接続を行います。
形状沿い:モデル形状に沿った形状沿いの経路による接続を行います。
ブレンド:接続を行う2つの経路の進行方向に合わせて滑らかな曲線によって接続します。
直線 :直線の経路で接続します。
・最大距離
形状沿い、もしくはブレンドによる接続を行う各断面の最大距離を指定します。ここで指定した値より離れている断面の接続は回避によって行われます。
ある工具軸の傾きを回転角(A/CやB/C)で表す場合、その回転角が取ることができる値は、必ず2種類あります。どちらを選択しても、製品形状から見た工具の傾きに変わりはありませんが、工作機の動作や回転角の取る数値には違いが生じます。『角度選択方法』ではどちらの回転角で切削を行うのかを決定するための基準を選択するためのパラメータです。
近距離位置:工作機の動作が少ない方の回転角を選択します。
遠距離位置:『近距離位置』で選択されないもう一方の回転角を選択します。
対距離位置:『近距離位置』の反対の位置(回転角)の回転角を選択します。
急激に軸角度が変化する経路に対して、一定範囲内で軸角度の変化を分散し、滑らかな経路を作成します。
【軸角度分散制御OFF】 【軸角度分散制御ON】・軸角度分散制御を行う:軸角度分散制御の各パラメータを有効にします。
・角度距離比 :「角度変化量(度)/移動距離(mm)」を指定します。角度距離比が指定した値より大きくなる経路に対して、軸角度分散制御を行います。この値を大きく設定することで、より短い区間内で分散制御を行います。
・最小分散角度 :軸角度分散制御をおこなう、最小の角度変化量を指定します。
計算対象モデルを選択します。ここで選択されたモデルは干渉のチェック対象となる製品形状として設定されます。
経路5軸変換を計算する際、同時にその経路に対するNCデータも作成されます。その際に出力されるNCデータの出力形式の設定を行います。
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・ポスト処理を行う
経路計算時にポスト処理も同時に行うか設定することができます。チェックをしなければNCデータは作成されません。
・プログラム開始番号
NCデータの先頭に付加する番号を入力します。
・出力制御ファイル
NCデータをカスタマイズするための出力制御ファイルを指定します。事前に作成しておいた5軸経路用の出力制御ファイル(.xfa)を指定することで、ファイルに設定されている内容にしたがって、NCデータが出力されます。
パネル中の[選択…]ボタンを押すことで、ファイルの選択を行うことができます。
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また、[編集]ボタンを押すことで、現在指定されているファイルの内容の編集を行うこともできます。
5軸経路用の出力制御ファイルの作成、および編集については「ポスト出力制御ファイル作成」を参照してください。
・ポストファイル名称
出力されるポストファイルの名称を指定します。経路5軸変換機能で作成されたNCデータはプロジェクト中のncフォルダの中に、指定された名称のポストファイルとして出力されます。経路5軸変換機能の新規作成時には、このパラメータは[ファイル]−[システム設定]−[カスタマイズ]の[NCデータ基準名称]を基にユニークな名称で設定されます。