4 Space-E/DrawのファイルからDXFに変換(Space-E/Draw→DXF)

Space-E/Drawのモデルファイルを、DXFファイルへ変換するプログラムです。

4.1 ダイアログの各項目の説明

 

(1) 変換対象となるファイルのあるフォルダを指定します。
(2) 変換対象となるフォルダを「フォルダの参照」ダイアログにて指定します。
(3) 変換対象となるファイル名称のテンプレート(ワイルドカード)を指定します。
(4) 変換対象なるファイル一覧が表示されます。ファイル名称をクリックすると、(8)の変換ファイル名称に追加されます。
(5) 変換するDXFファイルでのAutoCADのバージョンを指定します。「R12J」、「R13J」、「R14」から選択します。R12Jを選択した場合、さらにドロップダウンリストでバージョンを選択します。「GX_V(3D)」、「GX_U(2D)」から選択します。
(6) (4)での変換対象の一覧すべてが、(8)の変換するファイル名称に追加されます。
(7) (8)の変換するファイルすべてを解除します。
(8) 変換するファイルの一覧が表示されます。ファイル名称をクリックすると、変換するファイルから解除します。変換したファイルは、(1)で指定したフォルダに出力されます。
(9) Draw→DXF変換のログをファイルに出力するかを指定します。
(10) Draw→DXF変換のログファイル名称
(11) Draw→DXF変換のログファイルを「ファイルを開く」ダイアログにて指定します。
(12) ログファイルに対する記述方法を指定します。「追加」、「上書き」から選択します。
(13) 変換処理を実行します。
(14) 現在のダイアログの各パラメータを保存します。各パラメータは、パラメータファイルに保存されます。パラメータファイルについては、「4.2 Draw→DXF変換ダイアログ・パラメータファイル」を参照してください。
(15) オプションダイアログを表示します。

 


a) 言語(R12J(LANG))

メッセージの言語を選択します。  

選択できる項目は以下の2種類です。 

  • 日本語
  • 英語
  • b) シンボル変換後のフォルダ(R13J, R14(SPTH))  

    シンボルの変換を行う場合、変換後の外部参照ファイルを参照するフォルダを設定します。  

    ドロップダウンリストボックスでフォルダを検索することができます。

    c) サブモデル変換後のフォルダ(R13J, R14(MPTH))  

    サブモデルの変換を行う場合、変換後の外部参照ファイルを参照するフォルダを設定しま す。  

    ドロップダウンリンストボックスでフォルダを検索することができます。

    d) ポリゴンのブランクの考慮(R12J(BLNK))  

    ポリゴン、ポリラインアイテムのブランクを考慮するかどうかを選択します。

    e) 文字スケールファクタ(R12J(SCMD),R13J, R14(SCMD))  

    文字のスケールファクタを設定します。

    f) スクリーン番号(R12J(スイッチ(w=))  

    スクリーンが分割されている場合、出力するスクリーンを選択します。ドロップダウンリストボックスで選択するスクリーン番号は1〜4です。

    g) 出力ファイルのコード(R13J, R14(EORS))  

    出力ファイルのコードを設定します。

    ドロップダウンリストボックスで選択できる項目は、以下の2種類です。

  • SHIFT-JIS (改行コード 0d0a)
  • EUC     (改行コード 0a)
  • h) 線種番号と線種名称の対応(R12J(FNMD),R13J, R14(FNMD))  

    線種番号と線種名称の対応づけを設定します。  

    各テキストフィールドに線種番号と線種名称に対応するように入力します。

    複数の線種番号に対応させる場合、"1,5,8"と入力します。  

    連続の線種番号に対応させる場合、"1-3"と入力します。

    i) クラス番号と画層名称の対応(R12J(CLMD),R13J, R14(CLMD))  

    クラス番号と画層名称の対応づけを設定します。  

    各テキストフィールドにクラス番号と画層名称に対応するように入力します。  

    複数のクラス番号に対応させる場合、"1,5,8"と入力します。  

    連続のクラス番号に対応させる場合、"1-3"と入力します。

    j) 変更したオプション内容の登録

    変更したオプション内容をコンフィギュレーションファイルに登録し、メインダイアログへ戻ります。

    R12Jのコンフィギュレーションファイル
    (インストールドライブ):\HZS\Draw\Dxf\dxncfn.cnf

    R13J, R14のコンフィギュレーションファイル
    (インストールドライブ):\HZS\Draw\Dxf\dxfr13.cnf

    k) キャンセル

    変更したオプション内容をキャンセルし、メインダイアログへ戻ります。

    (16) Draw→DXF変換のダイアログを終了します。

     

    4.2 Draw→DXF変換ダイアログ・パラメータファイル

    4.2.1 パラメータファイルについて

    ダイアログの各パラメータは、Draw→DXF変換ダイアログ・パラメータファイルに保存されます。
    ファイル名称は「draw_dxf.cnf」で、出荷時は %DRAW_HOME%\dxfにインストールされてい
    ます。環境変数「DRAW_DXF_GUI」でパラメータファイルを指定すれば、Draw→DXF変換の
    対象となるパラメータファイルを変更することができます。

    4.2.2 パラメータファイルの内容について

    パラメータファイルに記載されているパラメータ名称と内容は以下の通りです。

    パラメータ名称
    内 容
    SERCDIR 変換対象フォルダ
    DXFVERS

    DXFバージョン

    1:R12J(GX_V(3D))
    2:R12J(GX_U(2D))
    3:R13J
    4:R14

    LOGFLAG

    ログファイルの記録 

    1:記録する 
    2:記録しない

    LOGFILE ログファイル名称
    LOGMODE

    ログファイルの記録方法 

    1:追加 
    2:上書き


    パラメータファイルの内容は以下の例のようになっています。

    SERCDIR,C:\Hzs\draw\work_field
    DXFVERS,4
    LOGFLAG,1
    LOGFILE,C:\HZS\draw\work_field\draw_dxf.log
    LOGMODE,2

     

    4.3 注意・制限事項

    4.3.1 ダイアログにおける制限

    Draw→DXFデータ変換おけるダイアログでの制限は以下の表のようになります。

    項 目
    制 限
    フォルダ名称 最大512バイト
    対象となるファイルの件数 最大1万件
    ログファイル名称 最大512バイト


    変換はNT版MDファイルが対象となります。UNIX版MDファイルは予めNT版にした後、変換を行ってください。

    4.4 DXFファイルR12Jの処理(Space-E/Draw→DXF)

    4.4.1 要素の対応

    要素は以下の表のように変換します。

    ( INo.:アイテムタイプ番号 )
    INo.
    Space-E/Draw
    DXF(3D)
    DXF(2D)
    1
    PNT (点) POINT POINT
    2
    LNE (線分) LINE LINE
    3

    CIR (円)
    CIR (軸はずれ円)

    CIRCLE
    CIRCLE

    CIRCLE
    POLYLINE

    4

    ARC (円弧)
    ARC (軸はずれ円弧)

    ARC
    ARC

    ARC
    POLYLINE

    5
    POL (ポリライン) POLYLINE POLYLINE
    6
    PLG (ポリゴン) POLYLINE POLYLINE
    7

    FAN (扇形)
    FAN (軸はずれ扇形)

    ARC, LINE
    ARC, LINE

    ARC, LINE
    POLYLINE, LINE

    10
    TXT (文字) TEXT TEXT
    11
    NUM (数値) TEXT TEXT
    12
    PAT (パターン) TEXT TEXT
    13
    MDL (モデル)
    ×
    ×
    14
    SYM (シンボル) 複合図形BLOCK△ 複合図形BLOCK△
    15
    SMC (複合シンボル)
    ×
    ×
    16
    DIM (寸法) ARC, LINE, POL, TEXT ARC, LINE, POL, TEXT
    17
    MSH (メッシュ)
    ×
    ×
    18
    SND (接点)
    ×
    ×
    20
    SPL (スプライン) POLYLINE POLYLINE
    21
    COL (複合曲線)
    ×
    ×
    22
    PLN (平面)
    ×
    ×
    23
    CYL (円筒)
    ×
    ×
    24
    CNE (円錐)
    ×
    ×
    25
    SPH (球体)
    ×
    ×
    26
    SUR (サーフェイス)
    ×
    ×
    28
    CNC (コニック) POLYLINE POLYLINE
    ( △:一部制限付き , ×:不可 )

     

    4.4.2 クラスと画層の対応

    Space-E/Drawでは、全ての要素について、1〜255のクラスに属しています。その機能に対応するのが、DXFでは画層(レイヤー)です。

    画層では、画層名称が最大31文字(英文字)で付けられますが、Space-E/Drawと1対1で対応するために、クラス番号を画層名称とします。

    コンフィギュレーションファイルで、クラス番号と画層名称の対応を設定すれば、その指示に従います。指示がないものは、クラス番号を画層名称にします。

    1〜255の画層に対するカラーは、画層1がカラー番号1、画層2がカラー番号2といった順で変換され、画層7までは画層名称と同じ番号のカラーが設定されます。画層8番以降は、カラー番号1〜7の繰り返しで変換されます。

     

    4.4.3 線種の対応

    線種は以下の表のように変換します。

    Space-E/Draw
    線種番号
    DXF
    線種名称
    線種形状

    0

    CONTINUOUS
    (実線)

    2

    HIDDEN
    (隠線)

    3、8、9

    DASHED
    (破線)

    4、5、10

    CENTER
    (中心線)

    1、12

    DOT
    (点線)

    6、7、その他

    PHANTOM
    (想像線)

    注意1)
    任意の画層に対するクラス番号をコンフィギュレーションファイルに定義する場合、使用するものはすべて定義して下さい。定義されていないものは、クラス番号101から順に設定されますので、同じクラス番号になる場合があります。

    注意2)
    クラス番号と線種は、1対1です。Space-E/Drawで同じクラス番号になった場合、線種がうまくいきません。

     

    4.4.4 制限事項

    DXF及びSpace-E/Drawの両フォーマットのファイルは、完全に1対1に対応するわけではありませんので、次のような制限があります。

    @ペン番号は、DXFに機能がないため無視します。

    A属性情報(プロパティ)は、DXFと機能が異なるので無視します。

    Bクラス番号と画層名称は1対1で対応します。コンフィギュレーションファイルでクラス番号に対して画層名称を定義することができます。指示がなければ、クラス番号が画層名称となります。

    C線種は、線分、円、円弧のみ線種に対応し、その他は全て実線となります。
    ただし、ウィンドウ要素のポリライン(2Dポリライン)については、線種を考慮します。

    D線幅は、全て「1」とし、DXF側でのTRACE(太線)には対応しません。

    EZクリップは、変換では無視し、DXF側では全て表示します。

    Fブランクアイテム

    変換では無視し、DXF側では全て表示します。ポリライン、ポリゴンのブランクは考慮します。ただし、この場合、アイテムは分割され線分になります。

    Gハッチングパターン

    変換では無視します。HATCコマンドで作成したハッチングについては、線分としてそのまま変換されます。

    H数値の精度

    有効桁数……16桁 小数点以下……4桁

    Iスプライン、コニックの取扱い

    スプライン、コニックは、ポリラインに変換されます。

    J文字関係

    Space-E/Drawでは、9点の位置で作図原点が指示可能ですが、DXFへの変換時には、横書きの場合は左下、縦書きの場合は中央上へ作図原点が移動します。

    Kシンボルの取扱い

    DXFでは、複合図形に変換します。シンボル名称のみ移行されるので、AutoCAD側でも同一名称の複合図形を用意する必要があります。シンボルを分解しておけば、各要素に変換されます。

    L寸法関係

    Mグループの取り扱い

    Space-E/Drawのグループに対応する機能が、DXFではBLOCK(複合図形)ですが、通常アイテムで構成されるグループのBLOCKへの変換は行いません。ただし、DIM要素は、BLOCKへ変換します。

    N「ENTITIES」のみを取込む場合の注意事項

    Space-E/Drawより作成された、DXFファイルの「ENTITIES」(データ)セクションのみを、AutoCADに取込む場合、下記項目に注意して下さい。

    シンボル及びDIM要素があると、エラーとなり取込めません(シンボル及びDIM要素は、変換時、DXFファイルのブロックデータとして扱われるため、「ENTITIES」のみの取り込みでは、エラーとなります) 。

    下記テーブルの設定を前提として、DXFファイルを作成しているため、「ENTITIES」のみを取込む場合は、AutoCAD内に下記名称で、事前にテーブルを作成して下さい。

    ラインタイプ(LTYPE)

     

    CONTINUOUS

    実線

    HIDDEN

    隠線

    DASHED

    破線

    CENTER

    中心線

    DOT

    点線

    PHANTOM

    想像線

     

    文字タイプ(STYLE)

     

    STANDARD

    横書き

    TXT, BIGFONT
    STANDARD1

    縦書き

    TXT, BIGFONT

    注意1)
    GX_Vでは、新規図面作成の時、初期値ファイルを設定する事ができますが、これを行うと、DXF取込み時に、新規図面とは見なされず「ENTITIES」のみ取込みます。
    初期ファイルを設定せずに処理して下さい。

    注意2)
    特別な場合(図面の重ね合わせ等)を除いて、「HEADER」から全て取込むようにして下さい。

     

     

    4.5 DXFファイルR13J, R14の処理(Space-E/Draw→DXF)

    4.5.1 要素の変換

    要素は以下の表のように変換します。ただし、制限事項を有する変換に関しては詳細を後述します。

    ( INo.:アイテムタイプ番号 )
    INo.
    要素
    Space-E/Draw
    DXF
    備考
    1
    PNT POINT  
    2
    線分 LNE LINE  
    3

    CIR

    CIRCLE

    中塗り情報は取込まれない

    4
    円弧

    ARC

    ARC

     
    5
    ポリライン POL POLYLINE ブランク属性を無視する
    6
    ポリゴン PLG POLYLINE

    閉じたポリラインとする
    中塗り情報は取込まれない
    ブランク属性を無視する

    7
    扇形

    FAN

    ×

     
    10
    文字 TXT TEXT 2バイト文字で表す
    11
    数値 NUM
    ×
     
    12
    パターン PAT TEXT 2バイト文字で表す
    13
    サブモデル MDL
    INSERT
    制限あり
    14
    シンボル SYM INSERT 制限あり
    15
    複合シンボル SMC
    ×
    16
    寸法 DIM
    ×
     
    17
    メッシュ MSH
    ×
    18
    接点 SND
    ×
    20
    スプライン SPL SPLINE BスプラインからNURBSに変換する
    21
    複合曲線 COL
    ×
    22
    平面 PLN
    ×
    23
    円筒 CYL
    ×
    24
    円錐 CNE
    ×
    25
    球体 SPH
    ×
    26
    サーフェイス SUR
    ×
    28
    コニック CNC SPLINE

    ITYP=2(双曲線)、
    ITYP=3(放物線)

    ELLIPSE

    ITYP=0(完楕円)、
    ITYP=1(楕円弧)

    CIRCLE ITYP=0、長軸短軸比=1
    ARC ITYP=1、長軸短軸比=1
    (×:不可 )

     

    4.5.2 変換の制限

    4.5.2.1 要素の変換の制限

    @ 円(CIR)およびポリゴン(PLG)の中塗り情報は取込みません。
    A ポリゴン(PLG)およびポリライン(POL)等のブランク属性がDXFに存在しません。よって変換後のポリライン(開いたポリラインおよび閉じたポリライン)等はブランク部分も表示します。
    B

    文字(TXT)およびパターン(PAT)は全て2バイト文字(全角文字)で表します。ただし、DXFには文字間隔が存在しないことなどから、文字の配置領域が変化する場合があります。 また、同じ文字サイズであっても、文字の見た目の大きさがSpace-E/DrawとAutoCADで異なります。

    よって、コンフィギュレーションファイルにより、文字にスケールをかけ、文字の大きさを変更することができます。

    C

    文字(TXT)の作図原点は次のように変換します。

  • 横書き文字の場合
  • 縦方向は、Space-E/Drawの上辺、中央、底辺がDXFの上辺、中央、底辺の各々に変換します。横方向は、Space-E/Drawの左、中心、右がDXFの左、中心、右の各々に変換します。

  • 縦書き文字の場合
  • 縦方向は、Space-E/Drawの上辺、中央、底辺がDXFの上辺、中央、底辺の各々に変換します。横方向は、Space-E/Drawの右、中心、左がDXFの中心になるように変換します(DXFにおいて、縦書き文字の作図原点は上中下それぞれの中央にしか設定できません)。 以下に作図原点の変換前と変換後の対応する位置を示します。

    D 文字スタイル名は横書きを「YOKO」とし、縦書きを「TATE」とします。他に「STANDARD」を作ります。1バイト文字(半角文字)に対するフォント名称は全て「txt」とし、2バイト文字(全角文字)に対するフォント名称は「TATE」と「YOKO」を「EXTFONT」とし、「STANDARD」を「BIGFONT」とします。
    文字スタイル名称
    フォント(半角文字)
    フォント(全角文字)
    STANDARD txt BIGFONT
    YOKO txt EXTFONT
    TATE txt EXTFONT
    E

    サブモデル(MDL)とシンボル(SYM)は、外部参照の図形挿入に変換します。ただし、配置点とファイル名称のみを取込みます。よって、dwgファイルは各個人で用意して下さい。

    変換後のファイル名は、元のファイル名からUIDを削除し、拡張子を「dwg」に変更します。元のファイル名称は、拡張エンティティデータ内に取込みます。

    変換後に外部参照ファイルを検索するディレクトリは、コンフィギュレーションファイルで設定を行ないます。設定を行なっていない場合は、初期値「\run_field\」を使用します。

    F スプライン(SPL)はSpace-E/DrawがBスプライン、DXFがNURBSです。変換する場合は、Space-E/Drawのスプラインの通過点をDXFのフィット点として変換を行ないます。したがって、データの構造が変化し、形状が変わる場合があります。
    G

    コニック(CNC)は、双曲線および放物線(アイテムタイプ:ITYP=2または3)の場合は、スプライン(SPLINE)に変換します。完楕円および楕円弧(ITYP=0および1)の場合は、楕円(ELLIPSE)に変換します。

    ただし、完楕円または楕円弧であり、長軸と短軸の比が1対1であれば円(CIRCLE)または円弧(ARC)に変換します。

    以上より、多少形状が異なる場合があります。

    H

    ハッチングはそれぞれの要素(線分)ごとに書きだし、グループ化を行なっています。

    I Zクリップは、変換では無視し、DXF(AutoCAD)側では全て表示します。
    J 一つのグループ名称に属する要素の個数は5000個です。越えた場合は、グループ名称の無い要素となります。
    K デリートフラグは対応されていません。
    L クラスセレクトおよびアイテムセレクトは対応していません(AutoCADでは、オブジェクト選択をオブジェクト単位で制御することはできません)。

     

    4.5.2.2 寸法線の変換

    @ 寸法線のグループ名称が「DM100xxx」と「DM110xxx」は長さ寸法線に変換し、また、グループ名称が「DM400xxx」と「DM410xxx」は直径寸法線に、グループ名称が「DM500xxx」と「DM510xxx」は半径寸法線に、そして、グループ名称が「DM700xxx」は角度寸法線に変換します。 その他のグループ名称の付いた寸法線は、寸法線としてではなく、そのグループに属する要素として変換します。

    変換前

    (Space-E/Draw)

    変換後

    (DXF)

    グループ名称
    寸法線タイプ
    DM100xxx
    長さ寸法線
    DM110xxx
    DM400xxx
    直径寸法線
    DM410xxx
    DM500xxx
    半径寸法線
    DM510xxx
    DM700xxx
    角度寸法線
    その他

    寸法線ではない
    グループに属する要素

    ('xxx'は3桁の36進数のカウントアップ部分を意味しています。)

     

    A 寸法矢印は同じ形状の矢印へ変換します。ただし、S字矢印はS字と同じ幅の斜線矢印に変換します。また、DXFの寸法線矢印の形状が7種類であることにより矢印の開き角度が異なることがあります。次の表のように、閉矢印、塗り潰し矢印および開き角度が90度より小さい開矢印は開き角度が約20度の各々の矢印へ変換します。開矢印の開き角度が90度以上である場合は開き角度が90度の開矢印へ変換します。

     

    B 長さ寸法線や角度寸法線、直径寸法線のように2個寸法矢印がある寸法線において、個々の寸法矢印のサイズが異なる場合は、AutoCAD上で編集コマンドを実行するとP1側の矢印サイズに統一します。これは、DXFでは異なった矢印サイズを与える機能がないためです。
    C 寸法文字は、全て2バイト文字(全角文字)に変換します。
    D 公差は、1段表示の場合は文字高さを主寸法文字高さの0.83333倍とし、2段表示の場合は主寸法文字高さの0.6倍とします。コンフィギュレーションファイルにより変更できます。
    E φ、R、t、□、Sφ、SR、球R、球φ、キリ、深サ、( )の11種類の記号が主寸法文字の前後に一個ずつ存在するなら記号のみをユーザ定義文字として取込み、主寸法文字の数値は実寸法値として取込みます(この場合、AutoCADで寸法線の編集を行なうと寸法値が変化します)。ただし、上記以外の文字や、上記の文字でも二個以上、主寸法文字の数値の前後にある場合は、主寸法文字も含めて全てをユーザ定義文字とします(この場合、AutoCADで寸法線の編集を行なっても寸法値は固定されています)。また、主寸法文字に( )が付き、さらに公差が付く場合の公差は括弧内に表示します。
    例:
     
    φ100キリ
    記号のみユーザ定義文字
    φ100
    記号のみユーザ定義文字
    (100)
    記号のみユーザ定義文字
    φ100×10
    全てユーザ定義文字(固定)

     

    F 寸法文字位置が上部であるとき問題はありませんが、中央および下部であるときAutoCADで編集コマンドを実行すると寸法線が文字の下になります。
    G 寸法文字に寸法交差が付加されている場合は、寸法公差の幅の半分ほど寸法文字の位置が左側にずれます。
    H 引出し寸法線および直半径寸法線において、変換後AutoCAD上で寸法線を編集しようとすると、引出し線および寸法線の傾きが変化する場合があります。
    I 半径寸法線において、寸法線の端点と円弧の中心点とが一致しない場合は、変換を正しく行ないません。
    J グループ名称の先頭から5文字が「DM100」、「DM110」、「DM400」、「DM410」、「DM500」、「DM510」、「DM700」である寸法線以外の要素は、変換を行いません。
    K DXFの寸法線とSpace-E/Drawの寸法線では寸法線の定義データが異なるため、AutoCAD上で寸法線の編集を行なうと、元の形状と若干異なる形状へ変化する場合があります。

     

    4.5.3 線種の変換

    線種情報は以下の表のように変換します。

    Space-E/Drawの線種番号が0から12以外の線種に関してはBYLAYERとします。ただし、画層(レイヤー)を作成するとき線種を全て実線(CONTINUOUS)としていることにより、BYLAYERで表示される線種は全て実線となります。

    コンフィギュレーションファイルにより線種番号と線種名称の対応を設定することができます。 詳細はDXFファイルR13J, R14のコンフィギュレーションファイルの項目を参照して下さい。

    線種
    線種番号
    (Space-E/Draw)
    線種名称(DXF)
    実線
    0
    CONTINUOUS
    点線
    1
    HIDDEN2
    破線
    2
    HIDDEN
    長破線
    3
    DASHEDX2
    一点鎖線
    4
    CENTER2
    長一点鎖線
    5
    CENTERX2
    二点鎖線
    6
    PHANTOM2
    長二点鎖線
    7
    PHANTOMX2
    超長破線
    8
    DASHEDX2
    超超長破線
    9
    DASHEDX2
    超長一点鎖線
    10
    CENTERX2
    超長二点鎖線
    11
    PHANTOMX2
    微小点線
    12
    DOT2
    その他
    その他

    BYLAYER

    (CONTINUOUS)

     

    4.5.4 クラス番号の変換

    要素の有無に関わらず1〜255の名称を持った画層を作成します。そして、クラス番号と画層名称を1対1に対応させます。ただし、寸法線は250、寸法文字は251に固定します。

    コンフィギュレーションファイルによりクラス番号と画層名称の対応を設定できます。詳細はDXFファイル R13J, R14のコンフィギュレーションファイルの項目を参照して下さい。

     

    4.5.5 グループ名称の変換

    Space-E/Drawのグループ名称と同じ名称のグループを作成します。だだし、グループ名称内に半角英数字、ドル記号($)、ハイフン(-)、アンダースコア(_)以外の文字が使用されていいる場合は、この部分をアンダースコア(_)に変換します。

     

    4.5.6 その他の注意事項

    @

    線幅には対応していません。

    A

    ペン番号には対応していません。

    B アイテム名称は、要素の拡張エンティティ・データ内に取込みます。
    C DXFからSpace-E/Drawへ変換を行なう場合、ブロックセクションのデータは、グループ名称を付加した個々の要素へ分解します。このデータを再び、Space-E/DrawからDXFへ変換する場合、ブロックセクションのデータには戻らず、グループ化された個々の要素データとなります。