形状が変化しても、R掛けなどの手続きフィーチャを再計算できるようにするために、フィーチャ形状のすべてのフェイス、エッジ、バーテックスには、IDが設定されています。
フィーチャを再計算した時は、一時的に新旧2つの形状が存在します。
この時に、古い形状に設定されているIDを、新しい形状へと引き継ぐ処理を行っています。
プリミティブ フィーチャの場合は、形状が単純ですのでほぼ問題なく正しいIDの引き継ぎを行うことができます。
しかし、多角柱フィーチャの頂点数が変更された場合や、手続きフィーチャなどによって形状変更が起こった場合は、「同じ箇所と判断」してIDを引き継ぐことが非常に難しくなります。
ソリッドを構成するエッジやフェイスが増減するので、IDが失われてしまったり、エッジやフェイスが増えることでループを構成する順番等が変化するためです。
R掛けなどの手続きフィーチャは、ブレンド対象となるエッジなどを ID で記憶しています。
パラメータが変更されて再計算するときは、処理対象となる形状中から、記憶しているIDを持ったエッジやフェイスを検索し、見つかった要素に対して処理を行います。
そのため、上記のような理由からIDが失われて処理できなくなったり、予期しない箇所にブレンドが適用されてしまうことが発生します。
ブレンドなどの各手続きフィーチャが保持している、処理対象となるエッジやフェイスのIDは、パラメータ変更ダイアログで確認することができます。
しかし現在、ソリッドのエッジやフェイスにどのIDが設定されているのかを確認する方法はサポートされていません。
また、ブレンドなどの対象エッジのIDを変更する方法もサポートされていません。
そのため、ユーザ部品の形状を定義する際は、プリミティブ フィーチャを極力使用した方がパラメータ変更による再計算に成功しやすくなります。
また、ブーリアン フィーチャはフィーチャ単位の処理なので、IDを記憶していません。そのため、再計算に失敗することはほとんどありません。